わかる直販売上アップ講座【第12回】

使えるフレームワーク、STP、セグメントマッピング

STP:
Segmentation, Targeting, Positioning
(セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング)

わかる直販売上アップ講座【第11回】
使えるフレームワーク、STP、セグメントの切り分け方

で、セグメンテーションによって、
自社や自社商品にしっくりくる軸や
切り口の見つけ方を説明しました。

そして、軸や切り口が見つかったら、
次にやることがこれです。

2種類の軸でXY平面をつくり、
マッピングする。

わかる直販売上アップ講座【第1回】
フレームワークの使い方、硬いうどん、太いうどん

で、

数学のXY平面は、フレームワークと考えることができる。
この2軸のフレームワークは、もっとも
使いやすいフレームワークである。

と説明しました。

 

同じことをこの前、
「今でしょ!」の林修先生が言っていました。

学校の勉強は、日常でも役に立っている。
という例で、
林修先生は、いつもXY平面で、
マッピングする癖があると説明しました。

X軸:好き⇔嫌い
Y軸:役に立つ⇔役に立たない

とすると、4つの象限に分けることができます。

好き、役に立つ:どんどんやればよい
嫌い、役に立たない:やらなければよい
好き、役に立たない:ゲーム、ギャンブル
嫌い、役に立つ:勉強

下の2つのどちらを選ぶかで、人生は大きく変わります。
ビジネスも同じです。
マッピング(セグメンテーション)して、
どこを選ぶか(ターゲティング、ポジショニング)によって、
結果は大きく異なるのです。

 

例えば、
ケーキ屋さんが売上アップを考えるときに、

まず、現状を売上とリピート率でマッピングする
とします。

売上高、リピート率高:ドル箱、主力商品
売上高、リピート率低:季節商品、なにか問題あり?
売上低、リピート率高:隠れたヒット商品
売上低、リピート率低:撤退商品候補

 

リピート率は、通常売上の集計だけでは、
見えてこないものです。
もちろんポイントカードなどで
顧客情報を手に入れる手段を講じるのが、
ベストです。

しかし、そんなことをしなくても、
現場をよく知る販売員は、どんな商品が
リピートされているかは、おおよそ把握して
いるものです。
おおよその感覚でマッピングしてしまっても
よいのです。

こういうときに、オーナーが現場のことを、
どこまで把握しているかが、試されます。
さて、ここでは隠れたヒット商品に着目して、
売上アップを図ることにします。

この商品がエクレアだとして、
エクレアをリピートするお客さんが、
どんなお客さんかを、まず想像します。

エクレア

たとえば、エクレアは、第1指名買いではなく、
主力商品(ショートケーキ)を買いに来たお客さんが、
ついでに買って帰るのではないか。
と仮説を立てます。

X軸:ショートケーキの購入個数
Y軸:エクレアの購入個数

すると、ショートケーキを3個から4個買う
お客さんが、同時にエクレアを同じ数だけ
買うパターンが多いことが見えたとします。

セグメントは、

家族構成、あるいは、ショートケーキの購入個数
で切り分けることができ、

ターゲットは、

小さな子供が一人か二人いる家族のお母さんで、
ショートケーキだけでは、少しもの足りないと
感じているけれども、まだエクレアを
食べたことのないお客さん。

です。

そのターゲットが一番よく買うショートケーキの
すぐ横に、エクレアを並べ替えて、
ターゲットと思われるお客さんががショートケーキを
買いに来たときに、こう声をかけるのです。

「エクレアはもうお試しいただけましたか?」

もともとリピート率の高いエクレアですから、
一度試していただければ、リピートの確率が
高く、売上をアップできる見込みがあります。

 

実際のビジネスは、もっと複雑で、
こんなに簡単に軸が見つかって、
マッピングできるものでもありません。

複数の軸候補を見つけ出して、
その中から2つの軸の組み合わせで、
マッピングをいろいろ試していく中で、
しっくりくるセグメンテーションを、
発見するという地道な作業が必要です。