400年続く朝市で有名な千葉県外房の勝浦。勝浦漁港の魚市場の目の前に、漁港で水揚げされた活きのいい魚が食べられる『市場食堂勝喰(かっくらう)』がオープンしました。

場所は築地でいえば場内。目の前をトロ箱が行き交う活気のあるところ。一階、二階の大きな窓からその光景を眺めながら、そのとき勝浦で一番美味しいお魚をいただくことができます。というのも、オーナーは外房の有力な仲買人関水産。目利きは確かです。

初ガツオの丼『勝喰丼』1,000円、地魚9割の『海鮮丼』1,500円をいただきました。こだわりは、丼なのに別盛。丼に温かいごはん、別皿にたっぷりの刺身盛りが出てきました。これなら刺身が温まることなく、好きな食べ方で食べられます。うまい!

勝喰関社長

右:関水産 関和久社長

関水産の社長、関さんは勝浦漁港に店を出すのが長年の夢でした。夢がかなった関さんはとってもニコニコしていました。しかしその笑顔の裏には、勝負をかける経営者としての覚悟があります。というのも、この場所は勝浦の人の流れが必ずしも潤沢なところではないのです。関社長は勝浦漁港に人の流れを作ろうと、あえてこの場所に開店しました。

勝浦勝喰マップ

勝浦の朝市は水曜以外毎朝開かれます。一年を通して大勢の人で溢れる活気のある朝市です。この朝市の会場が築地でいえば場外にあたります。場外は人の流れが一日中あるので、飲食店もこちらに集まっています。ほとんどの人は市営の無料駐車場に車を置いて、矢印の方向に向かい、帰りも来た道を駐車場に戻ります。つまり勝浦漁港には足が向かいにくいのが現状です。

そこをあえて場内に店を構え、勝浦漁港にスポットライトをあて新たな人の流れをつくって地域を活性化したい、というのが関社長の狙いです。

関水産は、全国でも珍しい「洞窟イケス」最大手の仲買卸です。洞窟のイケスは、伊勢海老やヒラメ、アワビ、サザエなどが海にいるのと似た環境に置けるため、魚介にストレスがかかりにくいそうです。魚介のストレスと味は大いに関係があります。そういう話をしているときの関社長は、活き活きとしています。関社長の魚への情熱が、丼の美味しさにも現れています。

4月23日(土)にはフジテレビ『タカトシ温水の路線バスの旅』12:00-13:30に登場するそうです。今後が楽しみです。