かき氷は、清少納言が枕草子で「あてなるもの=上品なもの」と表現するほど古くからある嗜好品です。人工氷と氷削機が発明された明治以降、大衆化されました。

棒付きのアイスキャンディーはアメリカで1923年から売りだされ、大正時代に日本に入ってきました。その後「ホームランバー」をはじめとした棒付きアイスは日本で大ブームになりましたが、かき氷をはじめてモバイル化したのは、カップに入った赤城乳業の「赤城しぐれ」。1964年のことです。

その後赤城乳業は、「子供が遊びながら片手で食べられるかき氷」という新商品開発にチャレンジし、1980年に第1弾を発売。かき氷をゼリー状に固めて棒を刺したものでしたが、市場でばらばらになってしまいクレームの嵐。大失敗でした。

翌年、アイスキャンディーで箱をつくり、その中にかき氷を充填する方式を開発し、晴れて「ガリガリ君」として商品化されました。「赤城しぐれ」は歩きながら食べると「歩きスマホ」並に危険ですが、「ガリガリ君」なら歩きながら食べることができます。

ガリガリ君はかき氷のウォークマンなのです。

ガリガリ君ピース
出典:赤城乳業