テレビ東京系列の「和風総本家」という番組に、「世界で見つけたMade in Japan」というコーナーがあります。世界各国の大事なところで使われている、日本の職人が作った道具を紹介するコーナーです。
私が特に好きな場面は、その道具を使って仕事をしている海外の人が、
「あなたのおかげで、こんなに素晴らしいことができています」
と日本の職人に感謝する場面です。
遠くはなれていても道具を通して、人と人がつながっていることを実感できる場面です。
18分41秒からはじまるイギリスの絵画修復技術に欠かせない大川セイロのストーリーを是非ご覧ください。大川さん夫婦がユーザーの映像をしみじみと見る姿に、こころが熱くなります。
ヒトは道具を使うことで進化してきました。やがて道具をつくる専門家が現れ、食料の確保と道具の製作は分業化されるようになりました。
iPhoneも道具ですから、アップルは道具を作る専門家集団です。テレビやオーディオ製品のメーカーも道具を作る専門家集団といえます。
企業の規模の大小を問わず、道具を作る専門家集団と、道具を使うユーザーが直接交流することは、なかなか出来ないことでした。そのふたつの間には必ず流通業者が介在しているからです。
ネットの時代になり、世界の距離感は一気に縮まりました。同時に、こころを通わせる距離感も縮めることができるようになりました。直販はネット時代がもたらした福音です。そこにはユーザーと近くなることで素晴らしいものを得るチャンスが転がっています。
多くの人と一緒に、その素晴らしいものを探していきたいですね。