前回:タニタの体重計はどこで買うのがお得?メーカーの流通戦略の秘密(1)

タニタの体組成計(体重計)BC756とBC705Nは、型番が違いますがそっくりさん。どんな関係にあるのでしょうか?

タニタの直販サイトを覗いてみましょう。

http://shop.tanita.co.jp/shop/c/c1010a0/

タニタ 体組成計・体脂肪計 カテゴリー

プリント
体組成計 BC-705N(ホワイト)
6,160円(税込)

BC756WH_02_R_640_480_350
体組成計 BC-756(ホワイト)
6,160円(税込)

どちらも同じ価格。
この取扱説明書を見れば、はっきりします。

http://www.tanita.co.jp/cms/common/pdf/support/bc_series/bc705n_756.pdf

BC-705NとBC-756の共通取扱説明書。
中にはBC705NとBC756の違いに関する記述は一切ありません。
つまり

BC705N≒BC756 ほとんど同じ

唯一違うのは、液晶画面まわりの色がBC756は黒。BC705Nは白。
取扱説明書のイラストでは、その部分が薄いグレーで表現されていて、うまく処理されています。

タニタが2種類の型番違いを意図的に商品企画していることは間違いありません。直販サイト上では、商品一覧のサムネイルが、BC-756が縮尺が小さくなっているところが、なにか裏を感じます。

 

メーカーが消費者にモノを届けるには、さまざまな流通経路を活用することになります。

1)メーカー⇒ホームセンター卸⇒ホームセンター⇒消費者
2)メーカー⇒家電量販店卸⇒家電量販店⇒消費者

ホームセンターから消費者に届けたければ、ホームセンターが得意な卸を通すことになります。家電量販店から消費者に届けたければ、家電量販店が得意な卸を通します。

ポイントは、

ホームセンターのお客さん
家電量販店のお客さん

同じ消費者でもお客さんの層が異なるということです。

ホームセンター店頭価格 BC-705N 3,370円
家電量販店頭価格 BC-756 5,080円

タニタのこの価格帯の体組成計に関する限り、
このデザインで同じ機能なら、
ホームセンターのほうが安くないと売れない。
といえます。

メーカーとしては、どちらのチャネルのお客さんにも買ってもらいたいので、苦肉の策として色を少し変えて同じものを、別の型番をつけて別の商品として商品企画しています。直販サイトでは同じ価格ですが、卸価格は異なり、店頭価格も異なるというカラクリです。

しかしそういった細かいカラクリを無にしてしまうのが、アマゾンです。

BC-705N 3,063円(通常配送無料)カスタマーレビュー51件
BC-756 4,200円(通常配送無料)カスタマーレビュー5件

これが同じものとはなかなか気付きませんがカスタマーレビューの数は桁が違います。

メーカーも、ホームセンターも家電量販店も、お互い住み分けするための、型番違い、色違い商品企画です。