流通のトレンドは、
どんどん直販に向かっています。

参考:中学生と学ぶ卸売の衰退と直販

とはいえ、業界によっては
卸の役割は依然として重要です。
特に業務用機器においては、
得意なフィールドを持つ卸は、
堅牢な顧客網と強い営業力を持っています。

前回、以下の様な業務用機器によくある
流通経路について考えてみました。

メーカー

1次卸

2次卸

店舗(ネットショップ含む)

顧客

店頭価格(この場合はネットショップの定価)
を100%としたとき、

メーカーの製造原価(含諸経費):30%
メーカーの卸価格=1次卸の仕入れ価格:45%
1次卸の卸価格=2次卸の仕入れ価格:55%
2次卸の卸価格=店舗の仕入れ価格:70%
店舗の販売価格=顧客の購入価格:100%

とすると、
各段階での取り分(マージン)は、

メーカー:15%
1次卸:10%
2次卸:15%
店舗:30%

となります。

たとえば10万円の商品なら取り分は、

メーカー:15,000円
1次卸:10,000円
2次卸:15,000円
店舗:30,000円

なんだか、メーカーの取り分が、
店舗の取り分に比べて、少ないですね。
こんなことでいいのでしょうか?

紙幣

メーカーは、
売れるかどうかわからない商品を、
苦労して開発、設計、製造までして、
取り分が、右から左の店舗の半分だなんて、、、

 
でも実はこれでいいのです。

 

利益率で考えてみる必要があります。

メーカーは製造原価(諸経費込)30,000円で、
製造して、1次卸に45,000円で売ります。
つまりメーカーの顧客は商品の使用者である
最終顧客ではなく、1次卸なのです。

ですから仕入れ30,000円、売上45,000円で、
粗利益率=(45,000-30,000)/45,000=33%

同様に各段階の粗利益率を算出すると、

メーカー:33%
1次卸:18%
2次卸:21%
店舗:30%

つまりメーカーが最も粗利益率が高いのです。
ですから、メーカーの取り分が少ないという
ことにはなりません。

 

それにしても、メーカーと店舗が利益率が
同程度というのは、どうなんでしょうか?

店舗は仕入れて店舗に並べるだけ
(ネットショップならページに画像を貼るだけ)
で、メーカーに匹敵する利益率。

次回は、一見儲かりそうな店舗の
落とし穴について考察します。