メーカー
↓
卸
↓
店舗
↓
顧客
この単純なモデルにおいて、
メーカーは卸の取引先リスト(店舗リスト)を、
手に入れることができるでしょうか?
答えは、
手に入らないことが多いが、手に入ることもある。
です。
商品を販売するために、
説明を要するもの、
そういう商品は、店舗のスタッフが、
商品をよく理解しておく必要があります。
卸の担当者がそれをやってもいいのですが、
てっとり早いのは、メーカーの担当者が、
卸の営業に同行して、説明することです。
メーカーの人が行けば、なにより熱意が
伝わります。
そういうことを理解している卸は、
積極的にメーカーの人間を同行
しようとします。
つまり卸の取引先を知るだけでなく、
面識もできるということです。
一方、卸がもっとも警戒していることは、
中抜きです。
卸は独自の顧客網と長年の信頼関係で
成り立っています。
しかし、景気が悪くなると、
メーカーも店舗も、利益をあげるためには、
安く仕入れて高く売りたくなるものです。
メーカー
↓
店舗
↓
顧客
であれば、卸をはさむより、
メーカーは高く売ることができ、
店舗は安く仕入れることができます。
一旦、メーカーと店舗がつながれば、
直接取引する誘惑にかられるのも
無理はありません。
しかしこれは商習慣上、問題があります。
メーカーと店舗は、少なくとも
二度とその卸業者とは、取引できないでしょう。
信頼を失うことになります。
他の卸もそういうメーカーや店舗とは、
取引を渋るでしょう。
卸という強力な営業チャネルが
使えなくなります。
そんなトラブルを避けるために、
卸は取引先リストをメーカー側に
開示しません。
商品説明も卸の営業がメーカーから学び、
取引先店舗に説明します。
売り込みは任せてくれ!
というわけです。
メーカーとしては、なんとも隔靴掻痒、
もどかしい限りですが、
これで飛び込み営業したり、1件1件
取引条件を詰めたりする手間が省けるのですから、
効率的です。
もし、メーカーが、積極的に店舗の
売り手の状況や、顧客の状況を知りたい
と考えているのなら、
卸の営業に同行させてもらえるような、
卸業者を選びましょう。