今年も初競りでまぐろを最高値(451万円)で競り落としたご存知「すしざんまい」の木村清社長。単なる目立ちたがりと思いきや、木村社長は現代の坂本龍馬ともいうべき、民間外交の素晴らしき立役者でした。

2010年にソマリア沖で発生した船舶のハイジャック事件が51件。海賊による事件が182件ありました。2014年にはどちらも0件になっています。

ソマリアの海賊が沈静化したのは、欧州の軍隊と自衛隊が取締を強化したことが主な要因ですが、すしざんまいの木村社長も民間人としてその一躍を担っています。

自衛隊がソマリアの隣国ジブチに航空自衛隊の基地を設立したのが2011年。翌年木村社長は、ソマリアの海賊に会いにいきました。というのもソマリア沖はキハダマグロの世界的な漁場。ソマリアが無政府状態になってからは漁場を荒らす各国の漁船と、地元漁民との争いが絶えない地域でした。それがソマリアの海賊を産み出す背景にありました。

木村社長は地元漁民、ソマリア政府、ジブチ政府と直談判して、4隻の漁船を地元漁民に貸与。マグロ漁の技術供与、冷凍倉庫の補修、流通経路の整備、捕獲したマグロの買い取り等を実施し、海賊行為をしなくても地元漁民の生活が成り立つように支援しました。利をもって大局を動かした坂本龍馬に通じる活躍ですね。

この貢献により木村社長はジブチ政府から勲章をもらっています。

力には力で対抗せざるを得ない状況は起こりえますが、相手の真の課題を探り、その課題を解決することで問題を克服することもできる、素晴らしい例です。

ジブチ国旗
ジブチ国旗