前回、



戦略とは、

未来のなりたい姿にむかって、
ある環境で一定期間継続する、
ヒトの活動の、大枠の変革の筋書き

と定義しました。つまり、

戦略とは変革の筋書きです。
未来のなりたい姿になるために書きます。
その筋書きには、ヒトの継続的な活動を書きます。
準備として現在の自分の姿と環境を分析します。

この戦略の定義を実用的にフレームワーク化すると、
こうなります。

『誰でもできる戦略思考』
=== 戦略フレームワーク ===

現在の姿
現在の環境

実行するヒト
活動の筋書き

未来の日付
なりたい姿
未来の環境予測

★チェック(筋書きは大枠か?継続できるか?)

============

フレームワークですから、各項目を自由にどんどん埋めていけばいいのですが、コツがあります。

それは埋める順番です。
次の順番で埋めていくことを強くオススメします。

◆フレームワークを埋める順番

①なりたい姿
②未来の日付
③現在の姿
④現在の環境
⑤未来の環境予測
⑥活動の筋書き
⑦実行するヒト

もちろんいったりきたりしてかまいません。
①なりたい姿を書いて、②未来の日付を設定すると、やっぱり①なりたい姿を少し変えたほうがいいかも。と変更する。このような試行錯誤のためにフレームワークがあります。

 

この順番の最大のポイントは、①なりたい姿です。
普通は③現在の姿から埋め始めてしまいがちです。現状把握、現状分析からスタート。一見取り組みやすくていいのですが、重大な欠点があります。戦略に飛躍力がなくなります。現状からスタートすると、今行っている延長線上に未来を描いてしまいます。その未来の姿は、戦略など立てなくても実現できる未来像かもしれません。

戦略の目指す、なりたい姿とは飛躍力を伴った未来像です。今のままのやり方ではちょっと難しい。でも「どうしてもそうなりたい!」。ということが「なりたい姿」です。

 

お笑い芸人ピース又吉が、ジョンレノンのイマジンのネタで、最後に「想像してごらん、戦争がない、平和な世界を」と言います。人類の究極のなりたい姿です。



①なりたい姿:戦争がない、平和な世界

とまず書く。

②未来の日付:???

ここで悩みます。かつて人類の文明が始まってから1万年もの歴史の中で、争いのない日々があったでしょうか?果たして1000年後にはそんな理想郷が実現しているのでしょうか?壮大すぎてわけがわかりません。ということで、グッと近いところで、

②未来の日付:10年後

と設定してみます。

そうすると、

①なりたい姿:日本を武力で攻めようとする国がいない状態

これくらいなら実現不可能ではなさそうです。
でも簡単ではありません。

このように、「①なりたい姿」を最初にあーでもない、こーでもないと悩み切ることが重要です。それが戦略思考のとっかかりです。

いろいろなフレームワーク、3C、4P、STP、5Forceなどにとりかかるのはその後。フレームワークを埋めるだけでは、埋めたという満足感以外、なにも生まれません。

 

また、1000年後のなりたい姿に固執していても有効な戦略は生み出せません。②未来の日付=戦略の時間軸設定は、極めて重要かつ不可欠なステップなのです。

次回↓↓↓は、③現在の姿④現在の環境分析です。