戦略とは、

「市場の中の組織としての活動の長期的な基本設計図」

伊丹敬之『経営戦略の論理』より

噛み砕くと、

活動の長期的な基本設計図=ある期間継続する、活動の大枠の筋書き

というところまで説明しました。

次は「組織としての」。ですが、閑話休題。

 

日本語の欠点は、大事なことが最後に出てくることですね。

市場の中の組織としての活動の長期的な基本設計図

ならば、「設計図」が一番大事。

ある期間継続する、活動の大枠の筋書き

ならば、「筋書き」が一番大事。

残りは修飾語です。

要するに、戦略は設計図であり、筋書きです。

ところが、日本語の語順は詳細説明から始めるので、どうしても頭から理解しようとしてしまいます。そうすると、最後にたどり着くまでに時間と労力がかかり、漠然とした理解にとどまってしまいがちです。

戦略とは大枠で設計することですから、詳細から説明する日本語は、戦略思考には向いていないかもしれません。ですからどこかで「要するに……」という訓練を集中的にやるしかありません。

 

でも気をつけてくださいね。

部下が失敗して、あれこれ言い訳しているときに、

「要するに、なにが言いたいんだ?」

な~んて言っていると部下に嫌われて、大事なときに大事な報告をしてくれなくなりますよ。別の機会に「要するに……」を言わせる訓練をしましょう。

建築現場

さて、ということで、

市場の中の組織としての活動の長期的な基本設計図

を構造化すると、次のようになります。

戦略とは、
要するに設計図

どんな設計図?

基本的な設計図
長期的な設計図

なんの設計図?

活動の設計図

どんな活動?

組織としての活動

どんな組織?

市場の中の組織

ですから、私は、この戦略の定義を構造化して上から、すなわち文章のお尻から説明しているわけです。

構造化して考えることも、戦略思考には必須のスキルです。