戦略とは、
「市場の中の組織としての活動の長期的な基本設計図」
伊丹敬之『経営戦略の論理』より
噛み砕くと、
長期的な基本設計図=ある期間継続する大枠の筋書き
というところまで説明しました。
次は「活動の」。
これは筋書きは筋書きでも何の筋書きか、ということを表しています。筋書きとは、「あらすじ」のことですが、「あらかじめ仕組んだ展開」という意味もあります。大枠の「活動」をあらかじめ仕組んでおくというわけです。
以前紹介した例でいえば、
沖縄旅行に行くために、家に帰ったら財布から小銭を全部貯金箱に入れる
この戦略は、「家に帰ったら小銭を全部入れる」という継続的な活動をルールとしてあらかじめ仕組んでおく。という戦略です。
同じ活動でも「10万円貯める」とか、「節約する」とか、具体的でない活動は単なるスローガンであり、戦略ではありません。また、「バイトで稼ぐ」とか「宝くじを買う」とかお金を貯めるには他にもいろいろな活動方法がありますが、たったひとつに絞って「あらすじ」化しているのが戦略思考です。あれもこれも戦略に盛り込むと、だんだん行動への意識が薄れていきます。実行しない戦略は無意味です。
お客さんを増やすために、「神奈川で2番めに美味しいラーメン屋」と看板に書く
この戦略は、「看板に書く」という活動を仕組んでいます。しかし継続的ではありません。看板に書いてアピールし続ける。ということに加えて、ちらし、Twitter、ネット広告、取材記事などで継続的に「神奈川で2番めに美味しいラーメン屋」をPRし続ける。という継続的活動を仕組んでいく。というのが戦略です。
お客さんを増やすために、「神奈川で2番めに美味しいラーメン屋」をPRし続ける
とするとより戦略的になります。
つまり「活動の長期的な基本設計図」とは、
ある期間継続する、活動の大枠の筋書き
ということになります。