六花亭には人事部がありません。
なぜなら社長が約1300名の社員全員の
顔と名前を覚えていて、
社長が人事を直接仕切っているからです。
売上目標もノルマもない経営ですから、
人事評価は目標達成数値では測れません。
しかし社長は、シビアに人事評価を行い、
待遇に大きな差をつけている。と明言しています。
これができるのは、
評価者が社長一人だからこそです。
組織というものは300人を超えると、
一人では把握しきれなくなり、
ピラミッド型の組織にすることで、
評価の権限を委譲する仕組みになっています。
評価の権限を委譲するには、評価尺度を
決めて、評価者によるバラツキを少なくする
必要があります。するとどうしても、
売上目標とその達成度みたいな数値で、
評価せざるを得なくなってきます。
六花亭にはその目標値がないので、
そもそも権限を委譲することはできません。
ですからマネージャーは、
仕事と人の管理に集中できるので、
入社3年目の新人にも務まるのです。
参考:女子マネ礼賛!
では社長一人でどうやって約1300人の
評価を行っているのでしょうか?
小田社長は評価尺度について言及している
資料はありませんが、社長のいろいろな発言から
推測すると、どうやら、
その人の仕事の重みとそれに対する取組みで、
評価しているように思います。
一言でいえば、
3人分の働きがあれば、給料も3倍。
では3人分かどうかをどうやって測るのか。
これは単純です。
社長がやって欲しいことに対して、
その人がどれだけ貢献したか。
これは社長の頭の中の優先順位や、
やって欲しい度合いによって変わります。
ですからこれは社長一人にしかできないことです。
それにしても1300人は多すぎます。
それに疑問に対して、小田社長は次のように
答えています。
人事で腐心しなければならないのは、
優秀な100人と問題のある100人だけ。
中間層は健康で信頼できるので、
ほっておいても大丈夫。
実質200人の人事に関わればよい。
なるほど、これなら300人限界説とも
辻褄があいますね。
それでも1300人の中から、
誰が優秀で、誰が問題があるのか、
把握し続けなければなりません、
六花亭の小田社長は、
1300人全員に目を配るために、
あることにものすごく力を入れています。
それについては次回。