高校1年の娘の、数学の教科書に
こんな問題がありました。

 

次の文が命題であるかないかを答えよ。

(1)23を3で割ると2余る。
(2)二等辺三角形は正三角形である。
(3)3.14は円周率πのよい近似値である。

疑問

命題とは、

正しいか正しくないか明確に決まる文や式、主張

命題が正しいとき、その命題は真であるといい、
正しくないとき、その命題は偽であるといいます。

(1)の命題は真で、(2)の命題は偽。
(3)は命題ではありません。

(3)は「よい近似値」の部分が、曖昧なので
命題とは呼べないのです。

 

数学は、一般的に命題を扱います。
一方身の回りの文や主張は、どうでしょうか?

このラーメン、おいしいね!

正しいも正しくないもないですね。
「私」が「おいしい」と思えば、
私にとっておいしいラーメンということに
なります。隣の人にとっておいしいかどうかは、
わかりません。

 

私が大学で学んだ「芸術工学」という分野は、
こういった命題でない主観的な評価を扱う
学問でした。

 

誰にとっておいしいラーメンなのか?
おいしいラーメンの条件はなにか?
おいしいラーメンを作るにはどうすればいいか?
ラーメンのおいしさとは何か?
人はおいしさをどういう仕組で感じるのか?

 

いろいろな角度で人とラーメンの関係を
捉えることができます。

もちろんラーメン大学ではないので、
私の場合は、ラーメンの部分を、
「音」と置き換えて学んだわけですが。

 

モノをつくったり、
商売、ビジネスをするときに、
とても重宝するものの考え方です。

そして、なにかについて、
正しいとか正しくないとか主張するとき、
少し冷静になるのに
役立つ考え方です。