とらえどころのない顧客ニーズを考察するときに、便利なフレームワークがあります。
ニーズの束
というフレームワークです。
東京理科大技術経営大学院の恩師伊丹敬之先生が『経営戦略の論理』の中で用いた優れた表現です。
顧客ニーズ=顧客が価値を感じるもの、はそもそも多面的なものです。それを4つに区分することができます。
1.価格
2.製品そのもの
3.サービス
4.ブランド
1.価格
大塚家具で10万のソファが安いと感じる人と、ニトリで5万のソファが高いと感じる人では、価格に対して異なる価値感を持っています。
2.製品そのもの
iPhoneとAndroid端末を比べるときに、スペックよりも店頭で実際に触ってみた感触が重要です。
3.サービス
コンビニでドーナツを買うのではなく、ミスドでドーナツを食べながら座りたい。と思う人は、「座りたい」が主なニーズです。
4.ブランド
スタバのコーヒーをテイクアウトしてオフィスで仕事しながら飲む。スタバというブランドを買っています。
ニーズの束というフレームワークが優れているところは、「束」という部分です。上の例をそれぞれ読んだ時に、違和感を感じたはずです。なぜならニーズは束だからです。ニーズは単独で存在していません。束になっています。
大塚家具というブランド、説明員がつくサービス、高級感のあるわりに安い家具
iPhone、Appleというブランド、キャリアの様々なサービス、価格設定
ミスタードーナツというブランド、コンビニドーナツとの味の差、価格差
スタバの価格、味、スタッフの応対
出典:大塚家具有明ショールーム
これらのニーズの束に対して、どこに力を入れて対応するかによって、各企業、各商品の戦略が様々に分かれます。
ニーズを漠然と捉えるのではなく、ニーズの束のフレームワークで分解して考える。今までよりグッと多面的な考察ができるようになります。
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