いきものがかり。
多くのファンを持つ、ヒットメーカー。
ヒットする新曲が、いつも
いきものがかりらしさを保ちつつ、
ワンパターンではない、新しさを
兼ね備えている魅力があります。
そんな彼らの原点は、
海老名駅周辺での路上ライブ。
その時の想いを彼らはこう語っています。
「私はこんな思いなんです、
と路上で一方的に歌っても、
誰も見向きもしない」
「関係ない人たちを立ち止まらせ、
楽しんでもらうにはどうすればいいかを
常に考えてきた」
「自分が歩行者ならと客観視して……」。
朝日新聞 8/5夕刊より路上という不特定多数を相手にする、
厳しいマーケットで、
彼らは、少しでも立ち止まって耳を傾けて
もらうための、
改善のサイクルをまわしていたのです。
作り手の一方的な想いの発信ではダメ。
常に反応を見て、変えていく。
顧客の立場で考える。
そして、路上ライブを重ねて、知らず知らずに、
小さく、はやく、たくさん
改善サイクルをまわすことで、自分たちのポジショニング、
ターゲット、
を絞っていったのです。
![アーティスト](http://plus2.jp/wp-content/uploads/2013/08/ff14df3ed8e7ae9550617b9a788f344f-198x300.jpg)
本人は、
「歌謡曲を目指して、老若男女問わず
聴いてもらえる曲を心がけたから、
幅広い層に共感を得た」
ターゲットを拡げたわけでは決してありません。
セグメンテーションの年齢、性別以外の
自分たちならではの軸を見つけて、
絞りこんでポジショニングした結果なのです。
たとえばこんな軸です。
曲の主人公に自分または誰かを投影できるか
ひとつの曲が、老若男女、誰にとっても、投影できるとすれば、それはユニークな
ポジションになりえます。
いきものがかりをスターにした、
「SAKURA」。
水野良樹は、ディレクターと歌詞制作の
やりとりを数十回も重ねました。
30パターン近いボツになった歌詞が
あって、あの最終形があるのです。
その改善サイクルをまわす姿勢は、
今も変わりません。