ネット通販、
個人商店のような規模の事業主にとって、
参入障壁が低く、
ビジネスをスタートしやすい環境が
整っています。

利益を出すためには、あらゆるコストを
切り詰めていかなければなりません。

そんなコストの中で、梱包材は、
意外とお金がかかるものです。

お客さんにとっても、どうせ捨てるもの
ですから、なるべくお金はかけたくありません。

 

 

ダンボールを本格的にオーダーすると、
金型の費用が発生し、
ロット数が大きくないと、
1個当たりのコストが跳ね上がります。

ダンボール加工会社も、小ロットでは、
機械の切り替えの手間がかかり、
非効率なので嫌がります。

そもそもそんな小ロットで少ない売上のために、
見積もりを出す手間、時間がもったいない
のです。

 

オーダー段ボール、あらゆるサイズを一枚から。
オーダーダンボール

ダンボール 出典:オーダーダンボール

アースダンボールは、そんな小ロットこそ
得意としているオーダーダンボール直販の会社です。

■ターゲットは、

小ロットで、既製品ではなく、
細かく寸法をオーダーしたい、
小規模ネット通販事業者です。

■フィジカルベネフィットは、

短納期で、小ロットでも格安でオーダーできることです。

■メンタルベネフィットは、

ダンボール加工工場に小ロット見積もりを出して、
いやな顔をされなくてすむこと。
見積もり作業がネットで10秒で完結するので、
事務作業が楽になることです。

アースダンボールは、10年で売上を倍に
アップしました。
そして売上の半分は、直販サイトからの受注です。

多品種少ロット生産

を可能にしたキモは、

個別原価計算ソフトの開発

でした。

 

ダンボール加工は、
ロット数や箱の形状で加工コストが変わります。
それまで勘と経験で材料費に加工費を上乗せして、
見積もりを出していました。

理系出身の3代目が、
原価計算ソフトを開発。

2、3日かかっていた見積もりを、
10秒に短縮して、
価格もきめ細かく自動計算できるように
しました。

 

そのソフトに合わせて、
直販サイトの小ロットに、対応できるような、
事務や生産体制を徐々に整備していきました。

 

つまり最初からターゲットとベネフィットを
決めて、技術を開発したわけではありません。
社内の効率化のために開発したソフトが、
顧客のベネフィットにつながり、
そのベネフィットを特に歓迎する、
小ロットの顧客が徐々に増えていきました。

そしてターゲット顧客の増加に、
対応するために社内システムを適応、
変革していったのです。

 

このようにマーケティング戦略というと、

なにか素晴らしいプランがあらかじめあって、
その通り実行したら成功した。

なんていうことはなく、

ちょっとしたアクションが、
新たな展開をうみ、
それにとことん適応していきながら、
ターゲットとベネフィットの仮説を
検証し続けた結果、
ユニークなポジションを確立
していくものなのです。