モノを売る側
モノを買う側

どちからも目に見えやすいのは、

スペック(機能)

なので、一見スペックで、
お互い納得して、
モノの売買が成立しているように見えます。

電動ドライバーの例でいえば、
ホームセンターには、
価格とスペック(充電式、最大トルク20Nmなど)
が大きく表示され、
買う方も、いろいろな価格とスペックを比較
しながら、どれにしようか選ぶ。

これらのスペック情報は、二重プロセスモデルでは、
システムⅡと呼ばれ、
実際に購入の意思決定のための、
補助をする情報です。

 

購入の意思決定の重要な決め手は、
直感的、感情的に短期的な利益を求める
システムⅠと呼ばれるプロセスで
決まります。

電動ドライバーの例でいえば、

A)頭の中に自分の家の壁と、壁に取り付けたい棚
のイメージがわき、
その壁に棚を取り付けたい。
という欲求

電動ドリル2

であったり、

B)壁に棚を取り付けている自分を
眺める息子のイメージを通して、
かっこよく電動ドライバーで
ネジを締め付ける自分、
なりたい自分。

であったり、

C)以前、普通のプラスドライバーで、
柱にネジをねじこんでいるときの、
やりにくさ、とか、腕のだるさ、
かっこ悪さなどの苦い思い出の
イメージから、
電動ドライバーで楽々ネジを
打ち込みたい。という欲求

などの、

その製品を購入することで得られる便益、
成果、満足感を、
実現できるかどうか
が購入の決め手になるのです。

この頭に描く便益、成果、満足感が、

ベネフィット

なのです。

 

そしてベネフィットは、
購入者の頭の中のイメージなので、
売る側も買う側もはっきり目に見えない
ことが多いのです。

A)の例では、家の壁とか棚のイメージです。
物理的な便益、成果が、

フィジカルベネフィット

です。しかしフィジカルベネフィットだけでは、
購入動機としては弱いのです。
棚を壁に取り付けるという結果は、
普通のプラスドライバーでも実現可能だからです。

また、モノがあふれているこの時代、
フィジカルベネフィットを実現できる
競合製品はいくらでもあります。

 

より強力な購入動機となるのは、
B)やC)のベネフィット、

メンタルベネフィット

です。これは完全に頭の中のイメージの世界です。

 

ここに直販の大きな壁とチャンスがあります。

目に見えないイメージである
メンタルベネフィットを、
お客さんと共有できるかどうか。

ここが勝負です。

リアル店舗でも直販サイトでも
同じことです。

お客さんが欲しいのは、スペックではありません。
メンタルベネフィットなのです。