風が吹けば桶屋が儲かる
岡本硝子が新技術を開発すると、
宮古島の人が映画を見られなくなる
神奈川県三浦半島の付け根、逗子市。
夏になれば海水浴客で賑わうこの街は、
普段はこれといった観光地もなく、
大きなスーパーもない、東京まで横須賀線で、
1時間弱のベッドタウン。
人口が5万7千人。
もちろん映画館などありません。
それとほぼ同じ人口の、沖縄県宮古島に映画館ができたのは、
2005年のことだそうです。
出典:日本最南端の映画館、シネマパニック宮古島
そんな島の映画館が、存続の危機に直面しています。
3月末までに1000万円を集めないと、
新しい映画が上映できない状態なのです。
3月25日までに集まった金額は、275万円あまり。
厳しい状況です。
なぜ、こんなことになったのでしょうか?
私達が気づかないうちに、
日本全国の主要な映画館は、ほぼすべて、
フィルム上映から、デジタルシネマプロジェクターによる
上映に切り替わっていたのです!
プロジェクターといえば、
パワーポイントのプレゼンを思い出します。
つい10年前までは、プロジェクターの解像度では、
1000人以上の映画館のスクリーンには、まったく通用しない。
と言われていたのです。
それが、ここ数年のデジタル技術の進化により、
あっという間に35ミリフィルムのクオリティーを、
超えてしまったのです。3D映画はすでにフルデジタル化されています。
そして2014年春、日本の映画の配給はすべて、
デジタルシネマになりました。
つまりフィルム上映機しか持たない街の映画館は、
今後上映できなくなったのです。
デジタルシネマシステムの導入には、
最低でも1000万円以上の新たな投資が必要です。
シネマパニック宮古島は、この投資に耐えられないために、
募金を集めているわけです。
デジタルシネマプロジェクターのトップ企業はソニーで、
国内シェア45%です。
そしてこの映画館用大型プロジェクターの強力な光源の
反射鏡を開発したのが、岡本硝子なのです。
このような大型の反射鏡は従来は板ガラスを特殊加工して
生産していました。
岡本硝子は、硬質ガラスのダイレクトプレス加工による
量産化に成功し、世界中のデジタルシネマ化を後押ししました。
北米でもすでに92%の映画館がデジタルシネマ化を終え、
パラマウント映画は今後米国内にフィルムでの配給はしません。
シネマプロジェクター導入プロジェクトは、昨年6月に、
1900万円の募金を集め、デジタルシネマ化に
成功しました。
宮古島頑張れ!!
シネマパニック宮古島
シネマプロジェクター導入プロジェクト
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