今から10年程前のこと。

大型テレビといえばリアプロジェクションテレビ(以下リアプロ)
が全盛期でした。
プロジェクターをスクリーン背面から投射する仕掛けを
一体化したテレビで、
日本では、巨大すぎて流行ることはありませんでしたが、
大画面好きの北米や欧州では大画面といえばリアプロの時代が
ありました。

2005年の世界シェアトップはソニーで54%。
欧州では70%のシェアがありました。

 

リアプロは基本はプロジェクターですから、
強力な小型の光源が必要です。
その光源の反射鏡を供給していたのが、岡本硝子です。

リアプロ光源小 出典:Sony XL-5200 Lamp

 

「ガラスは割れるもの」という常識を覆す、
割れないガラスを開発。
本来結晶化しないガラスの組成を工夫し、
セラミックスとガラスの両方の特徴を兼ね備えた、
硬質ガラス以上の硬さを持つ結晶化ガラスを開発しました。

そもそもの開発のきっかけは、プロジェクター反射鏡を納入していた
シャープから、「割れないガラスが欲しい」という一言でした。

岡本硝子は、2000年、結晶化ガラスの反射鏡で、
第25回発明大賞を受賞しています。

 

液晶プロジェクターも高輝度化と小型化がどんどん進み、
耐熱性能要求がますます高くなり、
岡本硝子の結晶化ガラスが活躍しています。

 

そして2010年、岡本硝子がソニーに納入した製品が、
世の中を変えることになります。

一般の人が気付かないところで、
世界は進化しています。
そして岡本硝子のようなグローバルニッチトップ企業が、
深くかかわっているのです。

詳しくは次回

日本最南端の映画館、シネマパニック宮古島と千葉県の岡本硝子の深い関係