SMAPの「世界で一つだけの花」

ナンバーワンでなく、オンリーワン
いいんだ、という
槇原敬之の作詞がいいですね。

仏教の天上天下唯我独尊がヒントに
なっているとか。

つまり、誰でもありのまま、そのままで
オンリーワンなのです。

 

一方、直販の世界は、
アピールの世界でもあります。

 

たとえば、手作りキャンドルを
フリーマーケットで販売するとします。

あなたの作ったキャンドルは、
間違いなく、「オンリーワン」です。

キャンドル

でも、ただだまって、キャンドルを並べて
あるだけでは、なかなか売れていきません。

なぜなら、お客さんは、
キャンドルを見ただけで、
「オンリーワン」を感じることは
できないからです。

 

もちろんその手作りキャンドルの放つオーラが
半端なければ、話は違いますが。
ただ岡本太郎でもない限り、それは無理です。

 

なにかアピールが必要です。

 

「手作り」

というポップはどうでしょう?

これだけでかなり親近感がわいてきます。

というのも、「手作り」という言葉から、
作り手の顔を想像する余地が生まれるからです。
作り手は機械ではなく、
ひとりひとりがオンリーワンの人、
なのですから、手作りローソクも、
オンリーワンの匂いがしてくるのです。

しかし、「手作り」も、いまや手垢に
まみれた、ありふれた言葉になりました。
もう一段階、なにかが必要です。

「お風呂で楽しめる手作りキャンドル」

これでかなり絞り込めてきました。

 

お風呂用のキャンドルは、世の中に
すでに販売されています。

ですから世界の中でオンリーワンでも
なんでもありません。

でも、このフリーマーケットの中では、
他のお店で売っている可能性がほとんど、
ないと、お客さんに思ってもらえます。
しかも「手作り」。

この状態を、

ユニーク

なポジションと呼びます。

つまり、ユニークとは、

ある領域でユニーク

であればよいわけです。
特定のフリーマーケットという領域の中で、

手作り+お風呂用キャンドル

というように、さらに領域を狭めています。

 

ではどの程度狭めればよいのか。

 

ひとつコツがあります。

ニッチxニッチ

は、避けましょう。

 

とことん狭めてオンリーワンに
固執するがあまり
陥る企画アイデアがこれです。

音楽が聴ける+お風呂用キャンドル

確かにオンリーワンかもしれません。
お風呂で音楽を楽しみたい市場。
お風呂でキャンドルを楽しみたい市場。
どちらもニッチです。

それを組み合わせてしまうと、
その重なり部分の市場規模が、
もはや見えなくなるほど細くなるのです。

コツは、

少し広い領域x少し狭い領域

です。

私の得意な数学で表現すれば、

少し広い領域A=手作り(20%)
少し狭い領域B=お風呂でキャンドル(5%)
少し狭い領域C=お風呂で音楽(5%)

A=20%:広すぎる。
AxB=1%:ちょうどいい。
BxC=0.25%:狭すぎ!!

よくある勘違いは、
5%x5%=10%

USP(ユニーク・セリング・ポジション)
を考えるときの、参考にしてみてください。