東京ビッグサイトの逆三角形を集めたような建物、外壁がチタンって知ってました?
お台場のフジテレビ本社の球体展望室も外壁がチタンです。

フジテレビ本社ビル

フジテレビ本社ビル



出典:とうきょうなび

 

チタンの外壁、メンテナンスフリーなんです。

この二つの建物、突飛な形をしているだけに外壁の洗浄や補修は困難きわまりない。でもチタンならばお手入れの必要がありません。

つまりチタン外壁は初期のお値段が高くても、将来かかる長期的なメンテナンス費用を考えるとグッとお安いということになるのです。
街角の信号機がどんどんLED化されるのと同じ理屈です。

建材としてのチタン、神社仏閣にも使われています。

浅草寺本堂
金閣寺茶室
北野天満宮宝物殿
などなど

浅草寺本堂

浅草寺本堂



出典:浅草寺

 

浅草寺本堂は瓦をチタン製にすることで、屋根の重量を930トンからたった180トンに低減できました。チタン自身の高耐久性はもちろん、金属イオンの溶出が少ないために環境に負荷を与えません。建物本体の耐久性にもメリット大です。

1998年に竣工された奈良国立博物館・第二新館チタン屋根は、11年後の調査で、変色、変形、腐食など一切ありませんでした。

もともとチタンは硬すぎて成形には不向きだと考えられていました。しかしチタン瓦を実現するために、新たに加工しやすいチタン材が開発され、チタンのプレス技術も研究されようになりました。

また、瓦の色についても、表面の酸化皮膜の厚みを陽極酸化法によりミクロン単位でコントロールする技術が開発され、金、紫、緑、青、茶などさまざまな干渉色を実現できるようになりました。

 

東大寺の大仏に見られるように、古代から神社仏閣はその時代の技術力をパワーアップさせてきました。現代においても神社仏閣がチタン建材の技術力を高める要因になっているのは、市場が技術をドライブするいい例です。

参考:「市場が技術をドライブする」島
東京理科大学技術経営専門職大学院(MOT)
優秀ワーキングペーパー賞