福岡県大川市の家具屋さん、
タンスのゲンは、
2004年に大きな決断をしました。

それまで売り上げの中心だった
実店舗を閉鎖し、2年前に立ち上げた
ネット販売に絞ったのです。

筑後川の下流に位置する
家具生産量が日本一の大川市。
室町時代から筑後川を下る
日田の木材を集積しやすい立地から、
家具の生産で栄えてきました。

タンスのゲン 出典:頑張る家具屋 タンスのゲン 楽天本店

タンスのゲンの前身は婚礼家具メーカーでした。
昭和の時代には、婚礼家具は1件、
100万円単位の成約がありましたが、
時代の変化で、婚礼家具の需要は
縮小の一途をたどりました。

危機感を感じた二代目社長がはじめたのが、
楽天でのネット販売でした。

そしてネット販売により、
7年間で売り上げを40倍、
約40億円にまで伸ばしました。

数千店舗もある家具のネット販売。
これだけの突出した成長を
続けるタンスのゲンの、
躍進のきっかけは、

クレームの徹底対応と改善

という当たり前のことを
続けた結果でした。
顧客から見たネット販売の、
大きな不安材料は、

実物を見たり触ったりできない。

ということ。

その分、あらかじめ疑問点や不安な部分を、
しっかり解消できる仕掛けが、
重要になってきます。

きめ細かな説明や、画像はもちろんのこと、
問い合わせへのすばやい親切な対応も
必要です。

そして、これらの改善の原動力になるのが、
クレームやレビューなのです。

タンスのゲンでは、毎朝スタッフ全員で、
クレームとレビューをチェックします。
そしてすぐに商品やサービスの改善アクション
を起こします。

改善のサイクル、PDCAサイクル、
あるいは、仮説と検証のサイクルは、
これくらい

ちいさく、はやく、たくさん

回していくものなのです。
日々の改善活動が、やがて
2つのおおきな改善にむすびつきました。

二重価格表示の廃止
翌日配送

2つとも家具業界の非常識でした。

簡単にはできないことを実現すると、
他社はなかなか追いついてこれません。

おおきな改善は、日々の小さな改善が
行われている組織からしか、
生まれません。
そこ勘違いして、うまくいっている
他社の表面だけマネをして、
スローガンだけ唱えても
機能しないものなのです。