パールライスってなんだ?
JA(農協)グループの卸業務を引き受ける組織。昨年東日本と西日本に分かれていた組織が合併し、国産米精米卸販売量で国内最大規模になりました。家庭用と業務用をほぼ半々で扱っています。
消費者から見ると、生協の棚に並んでいるパールライスというブランドのコメは、いくつもの流通経路をたどっています。
農家⇒地域JA⇒全農、経済連⇒パールライス卸⇒生協⇒消費者
随分農家と消費者が離れています。
昔は、農家は生産した米をほぼ全量地域JA(農協)に出荷していました。しかし、最近は地域JAが弱体化しつつあり、6割が地域JA以外に出荷されるというデータもあります。
農家⇒卸業者⇒生協⇒消費者
農家⇒消費者
など。
⇒の数が少ないほど中間マージンが少ないので、消費者は安く買うことができ、農家も利益を最大化できます。インターネットによってこのような農家の直販が可能になりました。一方で農家からすれば、どうやって安定的に売り先を確保するかが最大の課題になります。いきなりインターネット直販をスタートできるのは、ごくごく限られた農家だけです。いままで農協以外と取引したことのない農家が卸業者と取引契約を結ぶのも至難の業です。
地域JAに出荷すれば、農家は売り先に困ることはありません。安定収入が確保されます。しかし、それでも農家が地域JAに出荷したくないお金以外の理由があります。
それは「やりがい」です。
全農や経済連に集められた米は、他の農家の生産したコメと混ぜられてしまいます。もっとおいしいおコメをつくりたい!と考える農家ほど、このやり方式ではやりがいを失います。地域色を出したい。農薬をなるべく減らしたい。自然な肥料を使いたい。コメ作りに対するこだわりを持つ農家ほど、地域JAから離れていくことになりました。
それに対してJA越前たけふは、数年前から全量を卸業者に直販する体制になりました。
農家⇒地域JA⇒卸業者⇒生協⇒消費者
という流通ルートを確保したわけです。
これは地域JAのブランド構築と直販力アップの努力の賜物です。
コシヒカリの特別栽培米づくり
品質の数値化
卸業者への売り込み
これらを徹底的に行うことで、全農、経済連依存からの脱却を成功させました。
今、JA越前たけふには、離れていた農家も戻り始めたといいます。こだわりのコメを適正に評価してもらう。結局戻ってきたのは農家の「やりがい」なのです。