ネーミングを変えて大成功した例として、

レナウン紳士用抗菌防臭靴下 通勤快足

がよく挙げられます。
もとは「フレッシュライフ」というネーミング。

通勤快足
出典:レナウン直販サイト

なにか頭に残るネーミングにすれば売上アップだ!
と早とちりしてしまって、中小企業の社長が自社開発商品におやじギャグ的なネーミングをつけるパターンをよく目にします。

通勤快足の成功は、おやじギャグのおかげではありません。

ターゲットの絞込みと、機能からベネフィットへの転換です。

紳士用靴下⇒通勤するサラリーマン

とターゲットを絞込み、誰にメッセージを届けるかを明確にしました。
さらに、

抗菌防臭⇒快適

機能ではなく、ベネフィットで訴えています。

一日中靴を履き続けて、帰りの通勤電車で座れずすっかり足が疲れてしまったお父さん。この靴下は、そんな会社からの帰り道をほんの少し快適にしてくれそうです。そして家に帰って靴を脱いだときに、「もあ~」っと嫌な匂いがせず、明日もまた頑張れそうな気持ちにきっとさせてくれるかもしれません。

そんな具体的なライフスタイルにおけるベネフィットが「通勤快足」というネーミングに込められています。「フレッシュライフ」には、それがまったくありません。

1981年フレッシュライフ発売当初年間3億円の売上がありました。その後売上は徐々に落ち、1億円になりました。発売から6年後の1987年通勤快足にネーミングを変えたところ、いきなり13億円になり、翌年は45億円と飛躍しました。



その後、通勤快足はギフトとしての訴求もされロングセラーになりましたが、2005年、売上は3億円にまで低迷。

7割を百貨店に依存していたレナウンは、百貨店の低迷とともに業績が凋落。ユニクロなどSPAが引っ張るアパレル業界の変化に適応できず経営再建中です。