世界最軽量11kgの電動自転車Maxwell EPが、クラウドファンディングKickstarterで出資者を募集中です。11kgといえば、それなりのロードレーサータイプの自転車の重量。YAMAHAのスポーティタイプの電動アシスト自転車PAS VIENTA5が20.6kgですから、その違いは歴然です。

Maxwell EP0 ultralightweight electric bicycle
https://www.kickstarter.com/projects/maxwellmotorbikes/maxwell-ep0-ultralightweight-electric-bicycle

 

maxwellep0
出典:Kickstarter

 

この自転車を開発したTroy Rankは、実はギネス記録を持つ男でもあります。



電動自転車で最も長い距離を旅行した人としてギネスに認定されています。2014年8月1日から8月30日にかけて、7,151kmを走破しました。

 

「電動」というところにこの記録のすごさがいまひとつ伝わってきません。しかし実際やろうとするとなかなか難しいのです。

市販の電動アシスト自転車の走行距離はせいぜい50km程度。しかも充電に3時間くらいかかります。となると、30日で7151km、一日平均240kmを走行するとなると、一日に5回充電する必要があるので、充電時間だけで15時間。彼の電動自転車は時速40kmのスピードが出るので、最高速度で走っても240kmを6時間。それだけで21時間を使ってしまいます。

そこで彼の戦略は、思いっきり自転車の重量を軽くする。そのためにバッテリーの容量を犠牲にする。その分走行距離は短くなるが、急速充電しながら少しづつ進む。という方法でした。

ガソリンを満タンにした車は燃費が悪い。ということがよく知られています。ガソリンタンクを小さくして車の重量を軽くすることで燃費をよくする。という発想ですね。

 

その効率重視の発想を、Maxwell EPに適用しています。自転車の重量は11kgと軽いですが、走行距離は16km~24kmと短い。北米の自転車通勤する人の家から会社までの距離がほとんど15km以内だそうです。となると往復できませんね。帰りの分は会社のコンセントで45分充電すればよい、とTroy Rankは考えています。

どうでしょう?
落とし所として面白いですね。

 

まだまだ考えなければならない課題は多いと思いますが、大きな方向性として自転車の軽量化を突き進むという発想は、私は正しいと思います。もっと必要最小限の電動アシストにしてバッテリーをスマホくらいの大きさにすれば、いくつか持ち歩けたり、出先で充電できようになって、効率のよい電動アシスト自転車の世界が拡がると私は考えます。