剣道で、ガッツポーズをして一本が取り消される動画を紹介しました。
「ガッツポーズ」って和製英語なんですね。
英語では、
fist pump
victory pose
ガッツポーズの語源は諸説あって、ガッツ石松説がもっとも有名です。1974年にWBC世界ライト級王座を奪取したガッツ石松の…
これは単に、敗者に対する礼儀を欠いた行為だから。という理由ではありません。
相手を攻撃し技を決めた。相手はその技によりダメージを食らった。しかし相手は擬態しているかもしれません。ダメージを受けたと見せかけて反撃してくるかもしれません。
つまり一本取った直後にこそ、隙が生まれます。
その油断を防ぐのが「残心」です。
“相手の反撃に瞬時に対応する準備と、更なる攻撃を加える準備を伴った、身構えと気構え”
出典:Wikipedia
この残心がなければ、剣道ではたとえ一本が決まっても有効打突とはみなされません。ガッツポーズをして隙をつくってはいけないのです。
残心は剣道だけではなく、武道全般共通の心構えのひとつです。その心構えは「型」という見える形で継承されます。剣道でいえば、技を決めたあと一拍置いて剣をおさめるという一挙動を体で覚えるということです。弓道では、矢を放ったあとも心身ともに姿勢を保ち、矢の行先を見据える所作です。
目に見える「型」そのものが重要なのではなく、目に見えない「残心の心構え」こそが重要なのです。
武道における残心は、攻撃完了直後に生まれる隙に対する配慮の気構えと身構えです。
そしてもうひとつは相手に対する礼節という意味もあります。これはどのような理屈によるものでしょうか。
剣道には「打って反省、打たれて感謝」…