「ガッツポーズ」って和製英語なんですね。

英語では、

fist pump
victory pose

ガッツポーズの語源は諸説あって、ガッツ石松説がもっとも有名です。1974年にWBC世界ライト級王座を奪取したガッツ石松の両手を挙げる喜びのポーズから、「ガッツポーズ」という言葉が広まったようです。もともと米軍基地内のボーリング場で「ナイスガッツ」という言葉があったらしく、1972年のボーリング雑誌に、ストライクを取った喜びのポーズを「ガッツポーズ」と命名したのが由来と言われています。

 

そもそもガッツ=”guts”とは、肝のことです。
肝が据わっているの肝。

gut

は、人や動物の消化管や胃腸を指し、複数形の”guts”になると、内臓全般を表します。そうですヤキニクの「ガツ」です。そこから派生して、胆力や度胸の意味を持つようになりました。

ガッツ石松は、鈴木石松というリングネーム時代、苦痛からすぐに逃げ出すへたれボクサーだったらしく、胆力のあるボクサーになってほしいという願いから、ガッツ石松に改名したそうです。

つまりガッツポーズは、肝の据わったポーズであり、ピースサインよりも下腹に力が入った浮ついていないポーズなのです。

ガッツポーズ

 

ところが、武道ではすこぶる評判がよろしくありません。

この動画↓では、剣道でガッツポーズをして一本が取り消しになりました。ものすご~く小さなガッツポーズなんです。結構笑える動画です。



 

柔道でも、敗者への配慮としてガッツポーズを控えることが求められています。

 

相撲でも千秋楽に優勝決定戦で白鵬を下した朝青龍のガッツポーズが大問題になり、厳重注意されました。



 

武道ではありませんが、高校野球でもガッツポーズを慎むように指導されています。こんな記事まで↓。



米国球児のガッツポーズにまで文句をつけるのは、ガラパゴス的な発想かもしれません。

 

武道においてガッツポーズが嫌われるのは、日本には「残心」という美しい概念があるからです。

次回は「残心」について。

剣道の型と残心、見えるものと見えないもの
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