誰も書いていないですが、
ピース又吉が『火花』で受賞した芥川賞の創設者、菊池寛には、

『火華』(ひばな)

という長編小説があります。

近代デジタルライブラリー『火華』
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/977864

1922年(大正11年)3月から8月にかけて菊池寛が大阪毎日新聞に連載しました。

 

冒頭、東海道の汽車から見える蒲郡の海を描写したあと、次のような一節で始まります。

蒲郡の海! それは、瀬戸内海の海のやうに静かだ。低い山脈に囲まれ、その一角が僅かに断れて、伊勢湾に続いて居る。風が立つても、白い波頭が騒ぐ丈で、岸を打つ怒濤は寄せては来ない。

 

ピース又吉の『火花』の冒頭はこうです。

大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。熱海湾に面した沿道は白昼の激しい陽射しの名残りを夜気で溶かし、浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている。

 

ピース又吉が敬愛する芥川龍之介とは一高の同窓生だった菊池寛。

左端が菊池寛、隣が芥川龍之介

左端が菊池寛、隣が芥川龍之介(1919年長崎)



出典:Wikipedia

 

ピース又吉は、『火華』を意識していたのでしょうか、どうなんでしょう???