昨日の生しらすの商売のハナシ。

B/S、P/Lとプラス、マイナス
ソニーに入社して何年かすると、係長代理試験という関門がありました。最低限のマネジメント知識と論理的文章力、そしてソニー愛を試す試験でした。そこでエンジニアもそうでない社員も勉強するのが、B/S=バランスシート(貸借対照表)、P/L=プロフィ…


現実とはちょっと違う。
ということに気づいた方もおられるかもしれません。

 

こういうハナシでした。

相模湾で獲れた生しらすを1000万円で買ってきて、その日のうちに都心で1500万円で売りさばく。現金が500万円増えた。

札束

現実はこうです。

生しらすを1000万円で買いたいといったら、「おたくとは初めての取引なので、先にお金振り込んで」と言われたので、1000万円を振り込んだ。手に入れた生しらすを商社の冷蔵倉庫に配送したら、「うちは月末締めだから、月末になったら請求書送っといて、翌月末に振り込んどくから」と言われた。

結局現金1000万円が手元から消えて、生しらすも手元から消え、そしてなにもなくなった。

 

どちらの場合も、P/L上は売上1500万円で利益が500万円です。しかし、現金の動きが全然違います。現実は1500万円の現金は約2ヶ月後にしか手に入りません。

これがキャッシュ・フローです。

特に自由にできる現金をフリーキャッシュ・フローと呼び、フリーキャッシュ・フローがマイナスということは、手元に現金がまったくない状態を意味します。

2000万円あった元手のうち1000万円を生しらすの取引で1500万円に増やすことができたとして、もう一回同じ取引を繰り返すと、元手2000万円は3000万円の売上になります。しかしフリーキャッシュ・フローは0円になり、次の取引は約2ヶ月先までできないということになります。一歩間違えば黒字倒産になる危険な状態です。

つまりキャッシュ・フローを見れば、その企業の安定性や成長性、投資への積極性などを見ることができます。