高校になると数学が格段に難しくなって、
なんだかよくわからないまま
終わってしまった。という方も
多いのでは。

そもそも高校の数学なんて、
何の役に立つの???

という疑問は誰でも持ちますよね。

娘が高校生になって、
何のために数学をやるのか、
ということを問われる立場になり、
私もやり残していたその宿題に
向き合うことになりました。

 

結論は、

数学Iは役に立つ。
様々な課題を解決するための、
ひとつのやり方の練習として。

高校数学

 

社会に出ると、様々な課題にぶつかります。
課題を見つけることも必要になります。
その課題をなんとか解決していくには、
いろいろな方法を知っておくべきです。

直感で決める。

というのもひとつの方法です。
それと対極のやり方が、

論理的に決める。

という方法です。
論理的に考えれば、すべて答えが出るか?
というとそんなことはないのですが、
直感で決めるよりも、ちょっと安心感があります。
統計的に見れば、論理的に決めたほうが、
成功の確率は高いでしょう。

 

小学生は、みかんの数え方を習います。

中学生は、変化するものと、
求めるものの関係を習います。
ここにみかんのカゴがあります。
みかんをたくさん売るにはどうすればよいか?
答えは「カゴにたくさんみかんをのせる」
変化するものをx、求めるものをyと置いて、
yをxで表します。
xを増やすほどyが増えることを、
グラフで表す方法を学びます。
ここで、「カゴのみかんを増やすだけでは、
たくさん売れるとは限らないよ」
と考えることができる中学生は、
ビジネスの嗅覚があります。

 

高校生は、変化するものが2つになります。
ここにみかんとりんごのカゴがあります。
みかんとりんごの売れ方にはある法則が
成り立つとします。
その条件で、総売上を最大化するには、
どうすればよいか?
中学に比べて、とたんに難しくなります。

たとえばこんな問題。

x+y=2, 1<=y<=3のとき、y^2-2x^2の最大値を
求めなさい。
(”^”は二乗を表す)

 

中学では、変化するものがxで、求めるものがy
だったのに、この問題では、xもyも変化します。
ここでたいていの人は、わからなくなります。

こう考えると簡単です。

みかんがx,りんごがy,
求める総売上がy^2-2x^2。

りんごの変化の仕方をみかんの変化の仕方で
置き換えれば、

変化するものx(みかん)
求めるもの(2-x)^2-2x^2(総売上)

となって、なじみのある問題になります。

 

このように、高校の数学Iでは、
変化するものが2つ以上あっても、
求めるものをひとつの変化で表すことが
できれば答えを出せる。とういうことを
学びます。

 

社会に出ると、変化するものが無限大に
増えます。変化するもの同士の関係も
複雑怪奇です。
そんな状況で直感で決めるだけの勇気は、
なかなか湧いてきません。

求めるもの(目標)を決めて
(たとえば直販売上アップ)、
数ある変化するものから
いくつかピックアップして、
変化するもの同士の関係を整理する。
なにかひとつの変化に着目して、
どうやって目標を達成するかを、
論理的に考えてみる。

それを多方面から分析して、
最終的な決断をして、行動する。

こうやって課題を解決する
ひとつの方法を、
数学Iでは練習しているんですね。