予想のできない展開ってあるもんですね。
昨年の10月に、お笑い芸人ドランクドラゴンの
鈴木拓のツイッターアカウントが大炎上しました。
「逃走中」という大人の鬼ごっこの
ような番組があります。
ハンターという追手から制限時間内、
ひたすら逃げ続けるゲームです。
逃走時間が長いほど、獲得金額がアップ
していきます。捕まればゲームオーバーで、
賞金ゼロになります。
鈴木拓は、危険なことは一切せずに、
すべてのミッションに不参加。
他の出演者をザコと呼んでいました。
そしてゲーム途中で自首を選択して、
130万円を獲得しました。
自首すれば、その時点での賞金が
もらえるという正しいルールに
のっとった鈴木拓の戦略勝ちでした。
しかし、番組放映後、
鈴木拓のツイッターは、大炎上したのです。
屑人間、ゴミ人間、という非難が殺到、
5日後にアカウント閉鎖。
鈴木拓の心は折れかけていました。
その時は、番組上の与えられた役割とはいえ、
ずいぶんな代償と引き換えだなあ。
と思いました。
そして、迎えた先日の6月30日。
「戦闘中」という姉妹番組に、
鈴木拓が登場しました。
そして前回にも増して、
裏切り行為をしたり、
「おれは金のためだけに参加してる」
と発言するなど、ヒール役に徹しました。
案の定、放送終了後から、
またもやツイッターアカウントは炎上。
しかし前回とは、様子が違ったのです。
「こういう番組、ヨゴレがあるからおもしろいんだし。これがあったから単調にならずに済んだし、見事にオチもあったんだからいいのに」
「これだけ盛り上がったら大成功だね。 鈴木さんかっこいいよ」
「というか、こういうことする人が1人いたほうが面白い。ただ逃げ回るだけじゃ面白くないし」
開き直った鈴木拓に対し、称賛の声があがったのです。
つくづくターゲティングとポジショニングは、
大事だな。と思います。
罵詈雑言を浴びせる視聴者はたくさんいる。
しかし、テレビ番組の構成を冷静に判断しながら、
その演出を楽しむ視聴者をターゲットと考える。
そのターゲットに対して、ヒールという
ポジショニングを徹底する。
それによって、相変わらず罵詈雑言は浴びるのだが、
マスコミは、称賛の声の方にユニークなストーリーを
見出し、拡散する。
ターゲットを絞りこめたからこその、
ポジショニングですね。
次の展開が楽しみです。