娘が小さいころ、バレエを習っていました。

発表会になると
衣装や演出やホールの使用料などで、
一人ウン万円以上の費用がかかり、
そうなると、
練習に先生も母親も熱が入ります。

当時4歳の娘も、
大人の気合いをなんとなく感じて、
まじめに練習していました。
とはいえ4歳のバレエですから、
お遊戯に産毛が生えた程度の
ものなのですが、、、

 

さて、本番直前になって、
仲のよいお友達が、泣き出して、
「出たくない」と言い出しました。

どうにも泣き止まないので、
先生の判断で、お友達は欠場。

これまでの準備と出費が無になった瞬間の
ご両親の気持ちは、計り知れません。

 

我が娘は、お友達からもらい泣きを
する寸前のところで耐え、なんとか
本番がスタートしました。

バレエ
ほっとしたのですが、どうにも娘の演技に
集中できません。
会場にいる全員が
一人の女の子に心を奪われているのです。

 

6人の4歳の女の子たちが、
幼いながらも一生懸命、教えてもらった
とおりの振り付けで、バレエを踊っています。

みんなおそろいのかわいい衣装を着て、
きれいなお化粧をして、たいそう
微笑ましい舞台です。

 

しかし一人だけ、全然リズムが合っていないのです。
他の5人はほどほどに音楽に合わせているのですが、
その子だけは、フリージャズ状態の、
本人にしかわからないリズムで自由なのです。

しかも、誰よりも楽しそうに、最高の笑顔で
踊っているのです。

これには参りました。

かわいい愛娘にも目がいかないほど、
インパクトがありました。

あれよあれよというまに、娘たちの演技は
終わり、「いったい私は何をしに、
この会場にきたんだっけ???」
としばらく呆然としてしまいました。

 

これほど、

ユニーク

という存在は、インパクトのあるものなのです。

USP(Unique Selling Proposition)
といいますが、直販では特に重要です。

競合があふれ、
ネットで検索すれば、
いくらでも比較できる時代。

USPなしに戦いを挑むのは無謀です。

しかしわざとらしい、作り上げられた
USPでは、逆効果。

そうはいっても自然体だけで注目を浴びるのは
神業。

バレエの女の子も、目立とうと思って
やったわけではありません。
その子の感性が、観客と共鳴したのです。

USPを練り上げて、
この共鳴状態を、積極的につくりだしましょう。