ロンドンオリンピックで
卓球の公式球として採用されたのは、
日本卓球、ニッタクのピンポン球。
ニッタクは、1920年創業の卓球用品メーカーの
老舗です。
ニッタクのこだわりを象徴するラケットがあります。
その名も、
アコースティック
私は大学でアコースティックデザイン(Acoustic Design:音響設計)
を専攻していたので、
とりわけ、この響きには敏感なのです。
もっとも、本当はアクースティックと
発音したいところですが、そんなことは
今はどうでもいいですね。
話を戻すと、
ニッタクのアコースティックシリーズの
ラケットには、弦楽器の木と木の接着技術が
応用されています。
バイオリンやピアノの合板の接着の質は、
音にものすごく影響します。
想像してみてください。
板と板を簡易的にボンドで接着したとして、
そんな隙間だらけの合わせ板で、
なにか固いものをたたいた時の音を。
おそらく「カァン」という固い音ではなく、
「ビヨヨヨィ~ン」という、
濁った音がしそうではないですか。
楽器で使われている接着剤は、
木の水分の通り道、導管にまで浸透し、
合板でありながら、まるで一枚の板のように
強力に接着します。
ニッタクはその接着技術を、卓球のラケットに
応用したのです。

アコースティックシリーズのラケットは、
硬さのバラツキがなく、打点のスイートスポットも
広く、微妙なタッチコントロールがしやすいそうです。
さて、卓球と言えば、
愛ちゃんこと、福原愛さん。
愛ちゃんは、「音」でラケットを選んでいます。
コーチに球を打たせて、その音に耳を澄ます。
いくつものラケットの中から微妙な音の違いを、
聴き分けて、自分の目指すパフォーマンスを、
最大限に発揮できるラケットを見つける。
2012年、愛ちゃんが選んだラケットは、
ニッタクのアコースティックでした。
作り手もこだわり、
使い手もこだわり。
こだわりの共鳴
ですね。