先日、地下鉄で7人シートの端の一人を除く、
6人が同じ姿勢でスマホを見ていました。
そんな光景も特に珍しくなくなりましたが、
もう一つ観察していて注目したいのは、
腕時計をしない人が増えたことです。

若者の腕時計離れは、
以前から話題になっています。

携帯電話の普及によって1993年から15年で腕時計の国内出荷量は3分の1になりました。さらに近年はスマホの普及で出荷量の減少が加速しています。国内の時計市場は、カシオ、セイコー、シチズンの3強でほぼ3分の1ずつシェアを分けあっています。

しかしこれから競争すべき相手は、競合他社よりも、腕以外で時間を確認できるデバイスです。「腕」という場所の市場規模そのものが、縮小しているのです。

とはいえ、「時間を見る」という市場規模は大きいので、GoogleやAppleは、Google GlassやiWatchで「眼鏡市場」や「腕市場」も狙っています。ただし彼らの主戦場はあくまでスマホです。

 

このような先が見えるようで、見えない環境で、エプソンは、アクティブマトリクスEPDの電子ペーパーというデバイスを持っています。エプソン(正式にはセイコーエプソン)と関連の深い、セイコーは、時計専業メーカーとして、同じアクティブマトリクスEPDを使った電子ペーパー腕時計を、定価9万円~で発売しています。

さすがに、エプソンとは時計としてのクオリティーが違います。時計専業メーカーのセイコーは、安物は作れないのです。それだけに、購入者はさらに限定されます。

エプソンが直販で試していることは、腕時計市場開拓ではありません。
時間を見る。という行為が、これからどのように変わっていくのか?
そこに、電子ペーパーという新しいデバイスが、どのような使い道があるのか?
その大きな流れにエプソンとして、どのように関わっていくのか?

その見通しを立てるために、
傍観者ではなく、参加者として、
直販しているのです。

smartcanvasY
出典:Smart Canvas直販サイト

エプソンは一度リアプロで
失敗していますが、
新しい市場を開拓する意欲は、
衰えていないようです。

エプソンの記事:

日本におけるメーカー直販の開拓者、エプソンダイレクト