この広い宇宙には、
無数の太陽があり、
惑星があります。
その数ある惑星の中で、
確認されている限り、
たったひとつの、
水と空気の星、地球。
その地球の生命の源である
水を使った電池が水電池。
そしてもうひとつの生命の源、
空気を使った電池が空気電池です。
水電池では、
水はエネルギー源としてではなく、
電解質として使われています。
空気電池もまた、
空気をエネルギー源としている
わけではありません。
電子を放出するマイナス側の電極に
金属を使うところは普通の電池と同じ。
プラス側の電極で電子を受け取る、
受け取り手が空気中の酸素
を使うところから、
空気電池と名付けられました。
古くからボタン電池で実用化されていて、
シールを剥がして、
酸素に触れさせてから使います。
マイナス極の金属は、亜鉛が主流ですが、
アルミニウムやリチウムなど
さまざまな金属を使った空気電池が
開発されています。
また、電気自動車向けの燃料電池
としても注目されています。
最近では、古河電池が
「非常用マグネシウム空気電池」
を参考出品して話題になりました。
水電池と似ていて、
容器に注水するまでは長期間保存が可能。
石油缶半分ほどの立方体で、
500mlのペットボトルの水、
4本分を注水して使います。
スマホを最大30回充電できるだけの、
容量があります。
各社が、空気電池に二次電池の可能性
を追い求めて、開発を進めているのに対し、
「非常用、使い切り」
というターゲットを絞った商品化を
目指しているところがユニークです。
空気電池の発明は、1907年と古く、
当初から原理的に
高エネルギー密度を期待されながら、
大きく飛躍することがなかった空気電池。
非常用マグネシウム空気電池は、
ターゲットを思い切って絞ることで、
商品開発の方向性をピンポイントに
定めることができました。
そこでの技術蓄積から
新たなブレークスルーへの道が、
拓ける可能性があると思います。