ヤッホーブルーイングという社名は知らなくても、

よなよなエール

という缶ビールをスーパーやコンビニで
見かけたことのある方は多いはず。

よなよなエール
出典:直販サイト よなよなの里

 

社長がユニークで、目指すはビール業界のアップル。
万人受けを狙わず、コアなファンを納得させる
商品作りにこだわり、将来はライトユーザーにまで
広げていきたいという目標を掲げています。

ターゲット志向そのものですね。

 

この井手社長のターゲット志向がよく現れている
エピソードがあります。

ヤッホーブルーイングは、実は星野リゾートグループ
の会社なんです。
星野社長が、米国のクラフトビールに感化されて
立ち上げた会社。

あるとき、女性向けの白ビール「水曜日のネコ」
開発中に井手社長が、親会社の星野社長にこう言われました。

「これはおいしくない!商品化は危険」

それに対して、井手社長はこう言い放ったそうです。

「これは女性がターゲット。
星野社長の好みに合わないのは当然です」

すばらしい返しです。
「水曜日のネコ」はのちに大ヒット商品になりました。

 
ごく当たり前のようなエピソードですが、
商品開発において、たいていの場合、
これとは逆のことが起こります。

スゴ腕の社長VS商品開発部長。
商品企画部長VS企画部の若手。
商品開発部長VS開発部の若手。

「ここはこうしたほうがいいんじゃない?」
「はい。検討します」

後日、

「前回の改善点、修正しました」
「ああ、そうか」

とまあ、企画部も開発部もだいだいこんなものです。

 

この会話と改善活動に決定的に欠けているのは、
ターゲット志向です。
「ここはターゲットにとっては
こうしたほうがいいんじゃない?」
「そうかもしれません。
ターゲットにとってどうなのか検討します」

このような会話をしましょう。

 

社長がターゲット志向を貫く、
ヤッホーブルーイング。
9期連続で増収増益。
クラフトビール市場でトップシェア。
ビールメーカーでは、オリオンビールの次、
国内6位に上り詰めました。