新幹線のブレーキは、速度が数十キロ以上の領域では回生ブレーキを使います。自転車のような摩擦ブレーキを使うのは、駅に止まるときの最後の最後だけ。
しかし、ひとたび沿線で大地震を感知すると、強制的に停電して架線の電流をストップさせます。停電しているので回生ブレーキは効きません。停電したときに自動的に作動するのが非常ブレーキ=摩擦ブレーキです。めったに作動しないけれども、もしもの時には最高速から数十キロまで一気に速度を下げる強力なブレーキ。
これがないと、地震国日本では新幹線の安全を守れません。
また、このブレーキの性能次第で、最高スピードをどこまであげられるかが決まると言えるのです。
もしものときの技術力が稼働能力の最大値を決める。この思想が同じ日本で新幹線には培われたのに、原発では技術が蓄積されなかったのが残念でなりません。
ところで、
新幹線 地震 停電
で検索すると、
「地震で新幹線が停電!」
という経験談がいくつも見つかります。
これは、地震の災害で停電になってしまって、新幹線も影響を受けてしまった!と思いがちですが、大地震を感知すると新幹線は強制的に停電になる。という正しい動作なんですね。知りませんでした。
揺れを感知する地震計は、海岸部にも設置されています。いち早く検知して、地震の揺れが線路に到達する前に減速。が理想です。今年2015年中には、東日本と日本海溝の間に設置された150個の海底地震計による検知システムが稼働する予定です。
ちなみに190km/hで脱線するとこんなことに。
79名の死者を出したスペイン国鉄の事故。
いかに早くスピードを落とすかが、極めて重要な技術です。
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