スイス製の自動巻き機械式腕時計
レッセンス RESSENCE TYPE3
出典:RESSENCE TYPE3
この腕時計、今何時なのか、さっぱりわかりません。
無反射サファイアクリスタルと文字盤の間は「液体」で満たされています。
RESSENCE TYPE3のドキュメントにはこのように書かれています。
レッセンスTYPE3の時間は文字盤からクリスタルに移動します。軌道をする各々の表示針は無反射サファイアクリスタルによって水の中から浮かび上がるように見え、またそれらは使用者の目に近いところでサファイアクリスタルの上に直接的に表示されます。クリスタルの上に映し出される黒のダイヤルに対して対照的な白の針はあたかも映像のように見えます。
独創的なのは「液体」だけではありません。
出典:RESSENCE TYPE3
DAY、HOURS 、SECONDSのモジュールは、MINUTES(長針)の動きをまるで避けるように、文字盤を移動します。これがすべて機械的機構により実現されているのは、驚異的な技術です。
お値段もハンパなく、約290万円也。
こんな高度な機構をもった時計が、どのように動くのか。
アプリで見ることができます。
iOS無料アプリ Ressence
https://itunes.apple.com/app/ressence/id386694149
これインストールするとわかりますが、iPhoneで実際の時計として使うことができます。
なんとも不思議な感覚です。
290万円もする時計と、同じ動きをiPhoneで無料で使える。
Apple Watchも進化すると、見た目は似たようなものができそうです。
あえてそんな時代に、オール機械と液体で神秘的な時計をつくる。
それこそが290万円の価値なのでしょう。
Apple Watchはゴールドの100万円を越えるようなモデルも存在します。
でもApple Watchが目指しているものは、そんな領域ではありません。
Watchと呼んでいるのは、時計だからではなく、装着する場所がいままでのWatchと同じだから。Watch=見る、という原点に立ち返って新しいWatchを再創造するつもりなのでしょう。
Ressenceで時計技術者がチャレンジしたようなクリエイティビティーを、Apple Watchで幅広いアーティストやエンジニアが発揮できるようになれば、楽しいでしょうね。