Apple Watchに対する反応を見ると、ひと様々でおもしろいですね。

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出典:Apple Watch

 

イノベーター理論とキャズムというフレームワークを使って、Apple Watchを評価している人が、どのカテゴリーに属する人なのか考えながらそれぞれの意見を読むと、味わい深いですよ。

 

先頭ランナー=イノベーター:先頭を走ることが快感
第1集団=アーリーアダプター:冷静に考える先頭集団
大きな隔たり=キャズム
第2集団以降=アーリーマジョリティ:自称最先端
順位半分以下=レイトマジョリティー:流行を追いかける集団
最終集団=ラガード:必要ならしぶしぶ買う人々

 

iPodが2001年に発表された時には、当時少しだけ売れていたメモリーオーディオプレーヤーのHDD版という位置づけでしかありませんでした。iPodの評価に参加したのは、イノベーターとごく一部のアーリーアダプターのみ。この時、iPodがゆくゆくはiPhoneになって、世の中を席巻するに違いない、とわかっていた人はいません。

iPhoneはキャズムを超えてアーリーマジョリティまで行き渡りました。特に日本ではiPhone6以降レイトマジョリティーまでが手にしています。iPhone6を手にしたレイトマジョリティーから見れば、Apple Watchなど現時点では不格好な時計でしかありません。

 

Appleが当面、参考にするのはアーリーアダプターの評価、クレームです。イノベーターが徹夜で並んで買ってくれたからといって、Appleは安堵することはないですし、レイトマジョリティーがいくら、「こんなの買わねぇ」と叫んでも、「そんなの関係ねぇ」と右から左へ受け流すでしょう。

 

イノベーター理論では、消費者は特徴的な集団に大雑把に分けることができて、順番にそれぞれの集団に適応していかなければ、ほとんどのハイテク製品が市場から消えるということを示しています。Apple WatchがiPod、iPhoneのように普及するかどうかは、Appleがこれからどのように市場に適応するかどうか、にかかっています。