スタバのコーヒーの味を知ってしまった顧客層は、缶コーヒーやチルドコーヒーでは飽きたらなくなりました。

コーヒーで一息つきたい。

というニーズは、

それでも出せるのは自販機程度の価格。

という、サービスと価格のニーズの束に対して、元は缶コーヒーがマッチしていました。

スタバが登場して、

美味しいフレーバーコーヒー

という製品そのもののニーズが高まりましたが、自販機程度の価格ニーズにはスタバは見向きもしませんでした。スタバが適合したのは、別のニーズの束だったのです。

美味しさと低価格を両立する100円コーヒーの先鞭をつけたのは、マクドナルドでした。

缶コーヒー以下の100円でありながら、そこそこ美味しい「プレミアムローストコーヒー」は、デフレ日本の消費者ニーズにマッチし大成功しました。スタバでさえ、「おかわり100円」にせざるを得ないほどの影響をコーヒー市場に与えました。

しかし、コンビニコーヒーの本気の参入によって、マクドナルドの100円コーヒーは色褪せることになりました。

コンビニコーヒーがここまでコーヒー市場そのものを拡大させた一番の要因は、

100円という価格でありながら、淹れたて

というニーズの束に適合したことです。

セブンカフェ
出典:セブンカフェ

 

製品そのものの質を、「淹れたて」という壁を超えたことによって圧倒的な支持を得ることになりました。

 

コンビニコーヒーのニーズの束

1.価格=100円
2.製品そのもの=淹れたて
3.サービス=コンビニで買える=便利(どこにでもある)
4.ブランド=コンビニ

 

そして、缶コーヒーからコンビニコーヒーに至るまでの競争戦略には、技術革新という背景を見逃すことはできません。それは次回。