インスタント食品の草分け、「お茶づけ海苔」を1952年に発売した永谷園。1964年「松茸の味お吸い物」を販売。どちらも超ロングセラーで今だに現役です。

そのころからフリーズドライの技術は食品分野に展開されはじめます。そして1970年に登場したのが、永谷園「さけ茶づけ」です。フリーズドライの鮭が入っており、同じくフリーズドライの具を使ったカップヌードルよりも1年前に販売されています。

さけ茶づけ
発売当初のパッケージ 出典:永谷園

 

1964年 コスモス食品 食品用量産型真空冷凍乾燥機開発
1967年 コスモス食品 フリーズドライやまのいも発売
1968年 アマノフーズ 真空冷凍乾燥機導入
1970年 永谷園 さけ茶づけ発売
1971年 日清 カップヌードル発売(アマノフーズが具を量産)

 

松茸の味お吸い物に入っている椎茸は、昔ながらの製法の乾物。薄くスライスして熱風乾燥させた椎茸は、数分でお湯で戻ります。しかしカチカチの干物の鮭はそうはいきません。どうしてもフリーズドライの技術が必要でした。さらに鮭の骨を取るために米選機を応用したり、鮭の身をフレーク状にするためプロペラの回転で解決したり、さまざまな技術開発が同時に進行しました。

♪はぁぁぁぁぁるばる来たぜ、さけ茶づけぇ~

発売から30年以上、北島三郎の「函館の女」の替え歌が
コマーシャルに使われました。



さけ茶づけは、多くの苦難を乗り越えて、はるばるやってきたのです。