多くの選挙区で投票率が過去最低となった今回の統一地方選挙。
投票率が低いほど、組織票が有利になります。
無所属の候補にとっては、いかに浮動票を集めるかがポイントに。

浮動票の人たちが投票の判断基準にするのは、ズバリ、

選挙公報選挙ポスター

この二つです。

選挙公報

私が住む文京区の区議会議員選挙2015年を振り返って、
選挙公報と選挙ポスターを徹底分析しました。
その結果、意外な必勝法が判明しました。

といっても、こうすれば勝てる!というよりは、
こうしなければ勝てる!という必勝法です。
選挙以外でもチラシやホームページなどに応用できますよ。

2015年4月26日 東京都文京区 区議会議員選挙

定数 : 34人
立候補者 : 46人

■絶対にしてはイケナイこと(2つ)

1.顔写真の口(くち)を不自然にしてはイケナイ
落選者の75%にこの傾向がありました。
一方当選者では0%です。

口は開けていても閉じていてもいいのですが、以下のような印象をもたれてしまうと大きな問題です。

☓.無理に笑顔をつくっている
☓.片方の口角だけがあがっている
☓.口を無理に閉じている
2.パワポ的なレイアウトの選挙公報
得票数下位15人のうち40%にこの傾向。
一方上位31人では0%

パワーポイントでつくるような、
上にタイトルがあって、
項目が順に並んでいるようなレイアウトは、
政治家に必須の臨機応変さに欠けるような印象を
持たれるのかもしれません。

 

■こんなフォントの使い方が票を落とす

1.名前のフォント
選挙は名前が一番大事です。
投票用紙に自分の名前を書いてもらえるかどうかが勝負。
ポスターや選挙公報の名前のフォントに着目しました。
ほとんどの候補者が太い角ゴシックを
横いっぱいに伸ばしたフォントを使っています。
その中で、

☓.角ゴシックの縦横比が同じ
☓.太くないフォント
☓.明朝体

下位26人の61%がこの3つのうちのどれかを使っていました。
下位4人にいたっては、3人が角ゴシックの縦横比同じ。
一人はポップ体を使っていました。
2.本文のフォント
本文に明朝体を使うのは避けたほうがよさそうです。

落選者の33%が明朝体を多用。
当選者の88%は明朝体を一切使っていません。

また、

☓.イタリック体の多用
☓.白抜き文字まったくなし
☓.細く、クールなフォントの使用
☓.網掛けバック

などを使った候補者が落選しています。

■落選者の独自仕様(当選者にはいない)

落選者だけの特徴で、当選者にはいない
独自の選挙公報の仕様を集めました。

☓.肌の色が暗い
☓.新人なのに空白が多い
☓.プロフィール記載なし
☓.プロフィール欄が半分以上
☓.ほぼ縦書き

 

■票を増やす方法

・「略歴」ではなく「プロフィール」と書く(トップ10全員)
・縦書き一切なし(トップ10縦書き率0%ただし共産党除く)
・若々しい写真
・斜めアイテム(文字やイラスト)を一箇所だけ使う

■選挙公報レイアウトの秘訣

文京区は、共産党が強く、公明党の地盤が堅いエリアです。
今回の選挙では、共産党7人全員当選。公明党も5名全員当選しました。

この二つの党は選挙公報のレイアウトが決まっています。
かなりのノウハウが詰まっています。

・共産党

トップ白抜きタイトル
右1/3は縦書き

・公明党

トップは太ゴシックを少し斜め
囲みで分割レイアウト

この2党となるべく似ないようなレイアウトを目指すのが秘訣です。

ある自民党候補は、

トップ白抜き太ゴシック斜め使い
右半分を縦書きにして囲み

⇒落選しました。

次回は、選挙ポスターの色使いについて分析します。