コツコツ努力するって、
大事なことだとわかっていても、
なかなかできないですよね。

蓄積のすばらしさ、かめさんのトライアスロン人生

10年以上コツコツと努力を重ねて、
年間4つのアイアンマンレースを
完走するようになったかめさん。

代理店との信頼関係、一ノ蔵、飛躍の瞬間【第8回】

3年間、与えられた3つの条件どおりに、
アクションし続け、
東京進出を果たした一ノ蔵。

西陣織、細尾の海外市場開拓、飛躍の瞬間【第5回】

3年間、パリの国際見本市に
出展し続けて、
チャンスをつかんだ細尾。

林修、今でしょ!飛躍の瞬間【第1回】

「教える」という技術を、
常に磨き続け、
予備校人気講師になった林修先生。

これまで
「蓄積」
をテーマに、
いくつかの事例を
紹介してきました。

商品開発においては、
特に技術の蓄積がポイントになります。

ただ事例の中では、
彼らが日頃どんな努力をして、
どんな蓄積の仕方をしているのか、
まではイメージがわかないですね。

 

かめさんの今しか知らない人は、
かめさんをスーパーアスリート
だと思うでしょう。

かめさんは特別な人。
並外れた努力家。
私にはまねができない。と。

私はかめさんのスタート地点を
知っています。
決してスーパーアスリート
ではありませんでした。

その頃から、なにか光るもの
があったわけでもありませんでした。
並外れた努力家でもありませんでした。
ごく普通の、
というよりむしろ
スポーツが苦手な一人のサラリーマンでした。
(これ以上言うと、かめさんに失礼ですね。)

 

同じく、スーパーアスリートの
イチローのエピソードを、
例に挙げましょう。

 

オリックスの打撃投手だった
奥村幸治さんは、あるとき、
イチローにこんな質問をしました。

「いままでに、
これだけはやったな、
といえる練習はある?」

イチローの答えに
奥村さんは、
イチローの非凡さを感じました。

「僕は高校生活の3年間、
1日にたった10分ですが、
寝る前に必ず素振りをしました。
その10分の素振りを1年365日、
3年間続けました。
これが誰よりもやった練習です」

イチローが重視していることは、
ルーティンと継続です。

 

奥村さんは、
このように分析しています。

 

野球のうまい子になにかアドバイスすると、
すぐにできるようになる。
下手な子は、なかなか思うように
できない。

ところが、できるようになったうまい子は、
あっという間に、その練習をやめてしまう。
下手な子の中に、
粘り強くその練習を続けて、
できるようになるような子がいる。

フリーバッティング

そんな子は、継続することの大切さが、
身に染みてわかっているので、
いつの間にか、うまい子よりも、
力をつけるようになることが多い。

イチローのすごさは、
卓越したセンスを持っていながら、
下手な子とおなじメンタリティーで、
練習をルーティン化し、
ひたすら継続を重ねるところだ。

 

かめさんの、練習の一端を、
彼の奥さんから、
伺ったことがあります。

自転車のローラー台(自転車を載せて、
その場で、ペダルをこげるようにする台)
をある日買ってきた。

部屋が狭くなって、しょうがないけれど、
彼はその日から毎日、
テレビを見ながら、
部屋でひたすら自転車を
漕いでいる。

 

イチローとの共通点を見出す
ことができますね。

努力は重要だ。
継続は大切だ。
こつこつ頑張れ。


と説教されても、
なにをどうしてよいのやら、
途方に暮れるばかりです。

一日10分、
なにかできることを、
毎日、3年間続けてみましょう。


と言われれば、

もしかしてできるかも。

という気持ちになれますね。