インスタントラーメンは日本が世界に誇る大発明。
と日本人としては鼻高々。
でも世界中への普及度からすれば
インスタントコーヒーの発明もなかなかのものです。
これはさすがに日本人ではないだろう、と思ったら、
日本人が関わっているのでした。
1899年、緑茶のインスタント化を研究していたシカゴ留学中の加藤サトリ博士。コーヒー液を真空状態にして水分を飛ばし粉末にする実験の記録が残っています。1901年にはソリュブルコーヒーとして、パンアメリカ博覧会で発表されました。しかし商品化されることはありませんでした。
最初に商品化したのは、グアテマラにいたイギリス人ジョージ・ワシントン。1909年。アメリカで製法特許を取得しています。
現在のような形のインスタントコーヒーを普及させたのは、スイスのネスレ。1937年にスプレードライ法を完成させ、翌年「ネスカフェ」を販売。
スプレードライ法は、コーヒー液を噴霧して熱風で乾燥させて粉にします。細かい粉が特徴です。
一方フリーズドライ法は、コーヒー液を凍結して粉砕し、真空にして乾燥させます。1960年代アメリカで発明されました。尖った粗い粒が特徴です。スプレードライ法よりも風味が豊かですが、製造コストがかかるので若干高価です。
ネスカフェ・エクセラはスプレードライ。
ネスカフェ・ゴールドブレンドはフリーズドライ。
さて、なにらや経緯が複雑ですが、いったい誰がインスタントコーヒーの発明者なのでしょう?
日本人としては加藤サトリ博士を推したいところですが、なにせ参考出品レベル。とはいえ、後年のフリーズドライ法の原型になりました。日本インスタントコーヒー協会は、
「生まれはアメリカ、発明したのは日本人」
うまいこといってます。
イギリス人はジョージ・ワシントンだ、と言うでしょう。
アメリカ人はインスタントコーヒーはアメリカで発明されたんだ、と言うでしょう。
スイス人はネスレが世界に広めたんだ、と言うでしょう。
みんな正しい!
だからみんなで発明した。ということにしておきましょう。
これで日本人発明自慢がまたひとつ増えました(^^)