『経営理念』

社長室の額に飾ってあるイメージですね。

100年以上長く続く企業には、
ある共通した特徴があります。

「家訓」を大切にしている。

ということです。

しかし同じように経営理念や家訓を
額に飾っている会社でも、
成長や持続性には歴然とした
差があります。

その差はどこから生まれるのでしょうか?

それは経営者や働く人それぞれの、
心の中に、その理念があるかどうか
の違いなのです。

 

honda

 

 

 

ホンダはどのようにして、
その理念を維持し、受け継ぎ、
ぶれない経営を続けているのでしょうか。

ひとつの答えは、
ホンダで
エアバッグを16年かけて量産化した男、
小林三郎氏から直接お話を伺った
ときに、
私ははっきりと理解できました。

ホンダでは、
本質を徹底的に考えることがしきたりで、
「A00(エーゼロゼロ)」
という言葉を使っています。

A00とは、基本要件のこと。
「本質的な目的」とか「夢」と言い換える
こともできるホンダ独自の言葉です。

たとえば、よくあるシチュエーション。

部品の金型を変更したい。
目的は、
性能アップとコストダウン。

これが普通の会社。

ホンダではさらに、
「A00は何?」
と必ず問います。

たとえば、
エアバッグセンサーの誤動作を防ぐため。
なぜなら間違って爆発して、
けがをしないため。
すなわち安全向上。
つきつめれば人の命を守るため。

こうして、なぜ、なぜ、
を何回か繰り返すと、
最後は、ホンダの基本理念に
たどりつきます。

「人間尊重」
「三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)」

さらにホンダには、
「ワイガヤ」
という文化があります。

上司、新人分け隔てなく、
ワイワイガヤガヤと議論する。

ここまでは、どこの会社も
やっていそうですが、
ホンダの場合はその徹底ぶりが
違います。

小林三郎氏

「ワイガヤは
20回やって初心者。
40回やって黒帯。
10年かけて新人を育てる。

新人には、まず
人間はなんのために生きているか、
人間の喜びは何かなどの哲学から始める。
そういった哲学を
最初の3年くらいでたたき込む。」

「A00」という言葉。
「ワイガヤ」という文化。
これらのツールを徹底的に
常日頃から使い倒してはじめて、

ホンダの
フィロソフィーは、
創業者がいなくなった今でも、
脈々と「人」の中に、
流れつづけています。

ぶれない経営は、
ぶれないメッセージとして、
商品そのものや、プレスリリース、
広告宣伝を通して、
顧客に伝わり、
継続的な顧客との信頼関係を
築いていくのです。

関連記事:
20130516-honda_f1ホンダF1に当然の再参戦!フィードバックを活かす経営