第六次産業って聞いたことありますか?

農林経済学者の今村先生が提唱する
「生産(1次)、加工(2次)、販売(3次)をすべてやる」
農業や水産業の経営多角化のことです。

さすが東大の先生はうまいことを言うものです。

この第六次産業を地でいく会社が、
今回取り上げるたまご庵を運営する
コッコファームです。

たまご庵

熊本のロードサイド店舗で、
自社生産の卵を100%直販。

一日4万個の卵をリアル店舗で売り切ります。

1箱3kg(40個から45個)の段ボールが、
次から次へと売れていく、
日本で最も卵販売数が多いロードサイド店です。

ネット直販もさぞかし、
と思いきや、
ネットでの販売はごくわずかです。

あくまでリアル店舗重視。

しかしTwitter、facebookは活用しています。
新規顧客獲得ではなく、
リピーターへの情報発信が目的。

ではなぜお客さんが集まるのでしょう。

創業者の松岡社長は、
生産・加工・販売のすべてをやらないと
これからは太刀打ちできないと、
1981年に創業。

「お客さんに近付く農業」

を目指して、農協を一切通さず、
直販で勝負をかけました。

卵の売れ行きは毎日違う。
生産量と販売量には、
どうしても差が生じる。

その差を、加工品を作って販売することで、
埋めました。

ロールケーキ、アイスクリーム、石鹸など、
さまざまな加工品を製造販売。

さらに、レストランでは親子丼とオムライス
が大評判に。

直販ならではの、生産、加工、販売の
すべてをコントロールできる強みを
活かすことで、

    • 安売りから解放
    • 適切な在庫コントロール
    • リアル店舗の魅力アップ
3つを同時に手に入れました。

たまご庵はたまごのテーマパークなのです。
ここに来れば、たまごに関する最新の情報に
触れ、味わい、新鮮なたまごや加工品を
買って帰ることができるのです。

地域密着で、身近なお客様を
まず大事に考える。
自分たちの専門分野に関して、
常に情報発信をして、
リアルなコミュニケーションを
絶やさない。

たまごでなくても、
さまざまな業界の直販ビジネスの
参考になりますね。