池袋のジュンク堂書店。

ジュンク堂
出典:ジュンク堂書店池袋本店

ここはフロアでジャンルがきれいに分かれているのと、書棚のカテゴリー整理が秀逸で、とても見やすい本屋さん。各フロアに椅子も用意されているので、真剣に本を選ぶには最高の環境です。

 

たいていの本はここにあるというくらい在庫が豊富な店ですが、ある本が在庫切れでした。

ピース又吉『火花』

なんと、売り切れ入荷待ち。

7月28日現在、アマゾンで8月3日入荷予定。
楽天ブックスで8月上旬入荷予定。になっています。

文藝春秋はさらに20万部の増刷を決め、累計発行部数は144万部になりました。

こうなると、在庫切れがない電子書籍版が気になります。

単行本 1,296円
Kindle版 1,000円
kobo版 1,000円

電子書籍版は26日までに7万4088ダウンロード。
発行部数の5%程度が電子書籍版で購入されていることになります。
この数字は、日本の電子書籍の売上比率とほぼ一致しています。

 

電子書籍版の価格が、単行本に比べて差が小さいですね。
これは単行本のコスト構造から説明できます。

製造原価(印刷、編集):20%
販売管理費:20%
出版社利益:20%
印税:10%
取次卸:10%
書店:20%

※各割合は筆者の推定

電子書籍だから製造原価が半分の10%、直販だから取次卸の10%が削減できるとすれば、単行本の定価の約80%が電子書籍の価格になります。

1,296円x0.8=1,036円

概算ですがおおよそ合致しています。

 

電子書籍の場合は、売れれば売れるほど製造原価率はどんどん下がりますから、その分出版社利益が増えることになります。編集や販売管理費をある程度書籍と共通化することで電子書籍のコストはもっと圧縮できるので、実際は半額程度まで下げることが可能です。

『火花』の電子書籍版の売上比率が今後上昇するかどうか、日本における電子書籍市場の将来性を占ういいデータになるでしょう。