今日1800以上リツイートされている話題。

「知人のメリケン人コンサルが、日本のセブンイレブンのサンドイッチとコーヒーは最高に美味いのに、なぜ、丸の内OLはス〇バの割高なコーヒーとまずいパンを行列に並んでまで買うのか不思議だなと言うてた。マーケティングを考えるうえでいい材料になりますね。。。」NKPM@KPtan2

いろんな視点があります。

商品の価値と値段のコストパフォーマンス
アメリカ人コンサルの好む味
ブランド

私はターゲットのメンタルベネフィットを切り口に分析するのがよいと思います。

ターゲット=丸の内OLという視点で見ると、

「セブンイレブンのコーヒーが最高に美味い」とか、
「スタバのパンがまずい」とか言っているのは、
このアメリカ人コンサル。
丸の内OLの意見ではないので、この分析には関係ないですね。

★ここがなにかの現象を分析したり議論するときに、一番混乱しやすいポイントです。いつのまにか「自分の意見」を、全体の意見のように考えてしまい、前提がおかしくなるパターン。

おそらく丸の内OLは、スタバのコーヒーもパンも美味しいと思っているでしょう。では割高かどうか?

セブン-イレブンの美味しさと、スタバの美味しさを比べて、価格差以上の美味しさを感じるから、スタバに並ぶのでしょうか?

 

次に考える視点は、ベネフィットです。

ベネフィットの軸を「美味しさ」と考えて、割高かどうか分析する。第一段階としては問題ありませんが、次のステップに進む必要があります。他のベネフィットの軸を検討することです。

★一つの軸にこだわりすぎて、結論を急いではいけません。

ベネフィットもいろいろなものがありますが、忘れがちで意外と大事なのが、メンタルベネフィット。価格とか量とか物理的な尺度ではなく、「気持ち」の尺度です。

スタバ

たとえば、スタバのコーヒーカップを持って丸の内を歩いている私。映画に出てくるニューヨークのやり手キャリアのイメージ。これはセブン-イレブンのコーヒーカップでは味わえません。たった100円のコーヒーではダメなのです。どんなにパッケージを工夫しても無理です。こだわりのある経験深いバリスタが淹れる一杯のコーヒー。スタバラテが持つ独特の甘いフレーバー。頑張っている自分に注ぐささやかな高揚感。

スタバの行列に並んでいる事自体もメンタルベネフィットかもしれません。

 

最近スタバの味が落ちたような気がします。実際には味が落ちたのではなく、コンビニコーヒーの味の実力が上がったために、相対的に味が落ちたのです。スタバのメンタルベネフィットもいつまでも続くわけもありません。しかし、丸の内という土地柄、スタバのメンタルベネフィットが際立つのでしょう。