昨日の続きです。
低価格商品に挑戦できるのはリッチ層
ー シニアの消費行動にみる二極化の現実
高宮 知数
立教大学高宮氏のこの論文によると、
独自のインターネット調査で、
メガネの購買において、
低価格専門店の利用が、所得が高いほど多い傾向
が見られました。
低所得層は、高所得層よりも
地元の駅前や商店街の眼鏡専門店で購入が多い。
高所得層は、低所得層よりも
眼鏡市場などの低価格均一価格店で購入が多い。
なぜか?
高所得層は、お試しで低価格店で買うゆとりがあるから。
低所得層は、メガネは長年同じところで買う。低価格店の存在を知らない。
との結論です。
※
高所得層=所得800万以上
低所得層=所得400万以下
この論文の調査と結論の妥当性は、別にして、
おもしろい視点だと思いました。
普通、低価格品に走るのは、所得が低いほど多いと思いますよね。
メガネに限っては、それが逆転しているのです。
これは私の推測ですが、
低所得層といっているセグメントは、
実は年金生活者=高齢者
の割合が多いのではないでしょうか?
となると、圧倒的な情報弱者なのです。
いろいろな店で価格を比較する。
というすべがないのです。
古くからのつきあいもあるでしょう。
となれば、地元の専門店で言い値で購入という
結論はうなずけます。
また、高所得者も、決して安物だけを
購入しているわけではありません。
あくまで、セカンドや子供のためのメガネの選択として、
低価格店を選んでいるのであって、
メインのメガネはやはり高級品を選んでいるのです。
お金がある人が高いものを買う。
お金がない人が安いものを買う。
消費行動はそんな単純なものではない。
再認識させられた論文でした。