2022年冬季オリンピックが北京に決まりましたね。
かつて日本も1964年東京オリンピックのあと、1972年に札幌で冬季オリンピックが開催されました。

札幌オリンピック公式マークは8人のトップデザイナーによる指名コンペにより決定されました。選ばれたのは永井一正氏、現東京2020オリンピックエンブレムの審査委員代表です。

札幌オリンピック公式マーク
出典:NIPPON DESIGN CENTER

当時の永井一正氏の斬新なアイデアは、3つの正方形を縦長、横長、L字型に自由に連結して並べ替えることができるユニットという考え方をマークに採用したことです。

札幌オリンピック公式マーク変化
出典:NIPPON DESIGN CENTER

 

今回の東京2020エンブレムは、そのユニットをさらに発展させた3x3グリッドというコンセプトが採用されています。3x3のグリッドの中の正方形を自由に組み合わせることによって、様々な形に変容することができます。

それはパラリンピックエンブレムへの変化でも確認することができます。また東京オリンピック公式ページのトップ画像↓↓↓にも見て取れます。

東京2020トップ画像
出典:東京2020公式サイト

さらに3x3グリッドのコンセプトをはっきり表しているのが、エンブレム紹介動画です。(2分20秒)



これを見れば、東京2020オリンピックエンブレム審査委員会が、いかに3x3グリッドコンセプトにこだわっているかがわかります。

東京2020エンブレムは、104人の応募資格条件付コンペで選ばれました。選ばれたのは佐野研二郎氏のデザインでした。佐野研二郎氏のデザインの新規性が選ばれたというよりも、審査委員会がこだわりたかったことに、佐野研二郎氏のデザインが合致した。ということなのかもしれません。

3x3グリッドのパーツを組み合わることで幅広い拡張性をもったエンブレムというコンセプトは、近代的で新規性があります。ただし今回のエンブレムに関しては、拡張したデザインに魅力が乏しいところが、まだまだ発展途上で残念な点です。

「あぁ、3x3グリッドにするとこんなことができてすごいアイデアだなぁ!確かにおもしろいなぁ!!」

と思ってもらってはじめて新規性のあるコンセプトが認められるのであって、コンセプトありきでは順序が逆。

私が小学生のころから大好きで、何度見ても見飽きないエッシャー。

エッシャー
出典:xvimoon.jugem.jp

ここまでを求めるのは贅沢なのでしょうか。